根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

『セカチュー』ってヤツ

2005-09-30 12:46:01 | エッセイ、コラム
こんなに感情移入出来ない映画も珍しい。
ドラマを先にみてしまいストーリーが分かって
いたのも悪かった。
映画館にも足を運ばず、さらにはレンタルビ
デオで集中的に観なかった事も影響している。
テレビ放映で途中にCMが入る状況だった影
響も少なくはない。
だが、そういった点を差し引いてもひどい。

原作がある作品の映像化の場合、監督が自
分の色を出そうとする事が多いのだが、この
映画に関する限り、それが見事に失敗してし
まった例と言えよう。
朔太郎と律子の状況をあまりにも描きすぎて
しまっている一方で、亜紀の発病→闘病→死、
といった丁寧に描かなければならない事柄を
サラッと流してしまっている。
当時の不治の病に罹患してしまった亜紀の辛
さ悔しさなどがまるで伝わってこないのだ。
死とはそんな軽々しいものだろうか?
描かなければならない点は省き、描かなくても
いい事には焦点を当てている。
まるで、本末転倒。

時代考証にも甘さがみられるし(佐野元春の
『Someday』がヒットしていたのは86年よりも数
年前の話し)、朔太郎と亜紀が恋に落ちる過程
も安易過ぎ。
何故、成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗の女
の子が何の取り柄もない普通の男の子である
朔太郎に興味を持つ訳?
明確な理由が見当たらない。
そこら辺の矛盾は観客(視聴者)に考える余裕
を与えないような作品作りをしなければならな
かったのに、まるでそう言った事が出来ていな
い。
それとも、私が単にひねくれてるだけなのだろ
うか。

極めつけはこの番組を制作したスタッフのセン
スの無さ。
大体CMが多すぎるし、そのCMの挿入もタイ
ミングが悪すぎる。
“阪神優勝”のニュース速報をスーパーで入れ
るアホさ加減に至っては呆れて物が言えない。
映画の内容を考えればそんな興醒めな事は普
通やらないでしょう…。
作品に対する愛がまるで感じられない。

これが昨年の日本映画の興行収入のトップだ
ったそうだが全くの?マーク。
ただ話題性でヒットした映画としか言えない。
「みんなが泣けるって言うから」そんな理由で映
画館に足を運んだのだろうか?

“小泉首相が「改革、改革」って叫んでるから何
かよく分かんないけど自民党に投票した”先の
総選挙と根底にあるのは同じものの様な気がし
てならない、と言ったら言い過ぎだろうか?
でも、これが大多数の日本人の現実でもあるん
だろうなぁ…。






目を覚ませ、杉村太蔵!

2005-09-27 17:28:31 | エッセイ、コラム
全くガッカリだ。失望した。
 
小泉首相の甘い言葉にかどわかされて、自民
党の圧勝に終わった先の総選挙。
この先、日本国民の大事な貯蓄はアメリカに
流れ、サラリーマンは税金の重さに青息吐息、
そして、強者だけが勝ち続ける、そんな世の
中の始まりだぁ、なんて思っていた所に現れ
たのが杉村太蔵・衆議院議員。
今回の選挙で何か収穫があったとすれば唯一
彼の存在だったのだ、色んな意味で…。

ブラウン管を通してみる彼の印象は、お調子
者でおっちょこちょい、何か熱くて正義感が強
いイマドキの若者、そんな所か。
気取る所なく、等身大の言葉でリポーターに
受け答えする様は非常に好感の持てるものだ
った。
今現在、高度な政策や政治信条は持ってない
かもしれないが、曇りのない目と熱い心でオ
ヤジ議員達に立ち向かっていけば、ひょっとし
たら将来大化けし、日本を良い方向に持って
いく原動力になるかも知れない、そんな期待
を抱かせてくれる存在だった。

それがどうだ2005年9月27日の杉村太蔵議員
の表情は。
キラキラしていた目は澱み、お仕着せの当た
り障りのない言葉で記者達の質問に受け答え
する様は。
全くみるに耐えないものだ。
杉村太蔵議員から“太蔵節”を取ったら何が
残るというのだ。
ただの新人議員になってしまうじゃないか!

この私の駄文をどの程度の人が読んでくれて
いるか分からないが、よく憶えていて欲しい。
これが自民党のオッサン達のやることだ。
一人の有望な若者の個性を潰し、自分達の都
合の都合の悪い事にはフタをしてしまう奴等
お得意の手口だ。

今からでも遅くない。
目を覚ませ杉村太蔵!
今のお前はお前らしくない!!