監督:岩松了、出演:オダギリジョー、原田芳雄、大竹しのぶ、小林薫、麻生久美子、忌野清志郎、石田えり、原田貴和子、富士眞奈美、他、の映画『たみおのしあわせ』を観てきました。
ストーリーは、日本のどこかの都市の郊外の街(特に特定はされていません)で暮らす父子家庭の親子、父・神崎信男(原田芳雄)と、彼のひとり息子で物語の主人公である民生の、お見合いから結婚式に至るまで(初夏~夏前まで)の事の顛末を追った物語です。
民生は早い段階で母を亡くし、シャイで女性に対して奥手な青年です。
そんな民生を心配した父からお見合いを薦められ、幾度かトライしますが未だ成功には至っていません。
民生本人もあまりお見合いや結婚には乗り気ではない様子。
そんな折り、新しいお見合い相手として三枝瞳(麻生久美子)という女性が現れます。
清楚で美しく気遣いの上手い瞳のリードで相性が合った2人は、数回のデートの後、瞳のプロポーズという形で結婚に動き出しますが…というのがこの作品の触りの部分になります。
ストーリー自体は難しい事はなく所々笑いが入る楽しいものなのですが、本筋以外にもサイド・ストーリーがあり、そこら辺をどうまとめるのかな、と思いながら鑑賞していたら、その後を観客に委ねる形でよく分からない結末を迎えてしまい、おそらく私を含めた観客の大半がポカ~ンとした状態でエンディングになってしまいました。
ハッキリした、あるいは想像をキチンとさせるだけの材料が明示されていないだけに結末にどういう意味が込めらていたのかが明確でなく、監督が作品で提示したかった事も各々(おのおの)が自分で考えるしかなく、そこにひとつの答えがある訳でもないので、非常にモヤモヤとした気持ちで帰りの電車に揺られて最寄り駅まで帰ってきました。
随分と考えた末に導き出した答えは、主人公の民生は人生の早い段階で母を亡くしており、また一人っ子であり姉や妹などの女兄弟も存在せず、シャイな性格ゆえに多分女性とマトモに付き合った事もなく、父が母の亡き後に付き合う女性との折り合いが悪く、また女性に対して嫌悪感を抱くような場面を目撃したりしたせいで、モデルとなる夫婦の在り方が具体的に分からず、あのような結末を迎えたのではないか、女性に対して奥手なのも、過剰に理想化された亡き母への思い入れが強過ぎる事が深層心理にあるからではないのか、というものでした。
これは飽くまでも私が考えた結論に過ぎません。
推論ですが、岩松監督はエンディングを敢えて曖昧で唐突にする事で、民生にとって何が「幸せ」なのか、それは「結婚」なのか、ひいては我々ひとりひとりにとっての「幸せ」とは何なのか、という命題を、価値観の多様化と、また「幸せ」=「金」に傾いている現代社会に於いて、「幸せ」の定義を改めて我々に与え考えさせる為のオチだったのではないか、という考えに至りました。
冒頭で述べた通り、ストーリーは難しくありません。
退屈でもありません。
ただテーマがつかみ辛いだけです。
ゆえに鑑賞後感もスッキリしません。
私なら分かる筈だ、と思う人は劇場に足を運んで下さい。
あと、カメオ出演で忌野清志郎が、端役で邦画界の人気名バイ・プレイヤーの光石研と江口のりこが出演しています。
ストーリーは、日本のどこかの都市の郊外の街(特に特定はされていません)で暮らす父子家庭の親子、父・神崎信男(原田芳雄)と、彼のひとり息子で物語の主人公である民生の、お見合いから結婚式に至るまで(初夏~夏前まで)の事の顛末を追った物語です。
民生は早い段階で母を亡くし、シャイで女性に対して奥手な青年です。
そんな民生を心配した父からお見合いを薦められ、幾度かトライしますが未だ成功には至っていません。
民生本人もあまりお見合いや結婚には乗り気ではない様子。
そんな折り、新しいお見合い相手として三枝瞳(麻生久美子)という女性が現れます。
清楚で美しく気遣いの上手い瞳のリードで相性が合った2人は、数回のデートの後、瞳のプロポーズという形で結婚に動き出しますが…というのがこの作品の触りの部分になります。
ストーリー自体は難しい事はなく所々笑いが入る楽しいものなのですが、本筋以外にもサイド・ストーリーがあり、そこら辺をどうまとめるのかな、と思いながら鑑賞していたら、その後を観客に委ねる形でよく分からない結末を迎えてしまい、おそらく私を含めた観客の大半がポカ~ンとした状態でエンディングになってしまいました。
ハッキリした、あるいは想像をキチンとさせるだけの材料が明示されていないだけに結末にどういう意味が込めらていたのかが明確でなく、監督が作品で提示したかった事も各々(おのおの)が自分で考えるしかなく、そこにひとつの答えがある訳でもないので、非常にモヤモヤとした気持ちで帰りの電車に揺られて最寄り駅まで帰ってきました。
随分と考えた末に導き出した答えは、主人公の民生は人生の早い段階で母を亡くしており、また一人っ子であり姉や妹などの女兄弟も存在せず、シャイな性格ゆえに多分女性とマトモに付き合った事もなく、父が母の亡き後に付き合う女性との折り合いが悪く、また女性に対して嫌悪感を抱くような場面を目撃したりしたせいで、モデルとなる夫婦の在り方が具体的に分からず、あのような結末を迎えたのではないか、女性に対して奥手なのも、過剰に理想化された亡き母への思い入れが強過ぎる事が深層心理にあるからではないのか、というものでした。
これは飽くまでも私が考えた結論に過ぎません。
推論ですが、岩松監督はエンディングを敢えて曖昧で唐突にする事で、民生にとって何が「幸せ」なのか、それは「結婚」なのか、ひいては我々ひとりひとりにとっての「幸せ」とは何なのか、という命題を、価値観の多様化と、また「幸せ」=「金」に傾いている現代社会に於いて、「幸せ」の定義を改めて我々に与え考えさせる為のオチだったのではないか、という考えに至りました。
冒頭で述べた通り、ストーリーは難しくありません。
退屈でもありません。
ただテーマがつかみ辛いだけです。
ゆえに鑑賞後感もスッキリしません。
私なら分かる筈だ、と思う人は劇場に足を運んで下さい。
あと、カメオ出演で忌野清志郎が、端役で邦画界の人気名バイ・プレイヤーの光石研と江口のりこが出演しています。