根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

変化

2008-07-18 22:12:13 | エッセイ、コラム
明日から小中高生は夏休みで、本日が終業式という事もあって、私の実家で暮らす兄夫婦の中1の息子、つまり私の甥っ子に当たる男の子が通信簿を貰って来たらしい。
結果はなかなかの成績で、叔父さんの私も鼻が高いのである。

私と甥っ子は東京と長崎とで離れて暮らしているので、彼の幼児期の泣き虫できかん坊の様子が印象強く、彼が今まさに青春の入り口に立っている事が何となく信じられない。
こういう時に限ってタイミング良く、私が甥っ子の年代だった頃にヒットしていた曲がラジオから流れたりして、彼が私のその頃の年齢にまで成長している事に非常な感慨を覚えたりする。


私の中学1年と言えば、小学校の時、特定の科目を除き、劣等生だった私が、一生懸命優等生になろうとしていた時代である。

中学生になって環境も変わり思春期に入った事もあって、どこか落ち着いた所もあったのだろうが、小学校の頃、通信簿にいつも「落ち着きがない。授業中の私語が多い」と書かれていた私が、授業を真面目に聴くようになり、ノートもキチンと取り、家でも自主的に勉強をするようになったのだ。
ローマ字も分数の計算も中学生になって初めて分かるようになった。
初めはなかなか結果が出なかったものの、徐々にその成果は出てくるようになり、テストではそこそこの点数をとるようになって、通信簿の評価も上がった。
まぁ、それでも中の上くらいまでのものだったが…。

面白かったのは、そういう静かで真面目な生徒になると、先生からもクラスメートからも一目置かれるようになった事だ。
小学校の時は苛められたりした事もあったのだが、それもなくなり、それまでは名字で呼び捨てだったのが「君付け」で呼ばれるようになった。

ある時は、小学校の頃に同じクラスで、中学1年で分かれて、2年でまた同じクラスになった同級生から、ある疑いをかけられた事があった。
彼は私の1年生の時の変わり様を知らなく、相変わらず劣等生だと思っていて、朝の小テストの時、高得点を取った私を指差して「コイツ、カンニングしやがった」と騒ぎ立てたのだ。
騒ぐソイツの疑いを解く為に、ほらよくみろ、お前は隣りの女の子の答えをみたと言うけれど、その女の子より俺は高い点数をとってるだろ? と言うと、やっと納得してくれたものだった。
不愉快なような、嬉しいような出来事だった。

大人になるとなかなかそう簡単にはいかないものだが、若い頃はそれなりの努力をすると人生のリセットは可能なのだ。

結局、それでも努力不足で第一志望の県立の進学校には不合格にはなってしまったのだが、後にも先にも、『変わろう』とあんなに努力したのは中学生の頃が一番だったような気がする。
落ちた事が悔しくて合格発表のあとに泣いたのは、やはり一生懸命やったからだろう。



さて、私の甥っ子はこの難しい年頃に、どんな変化をみせてくれるのだろうか。
非常に楽しみなのである。