先の暑かった日の夕刻、G・レトリーバーの友犬マックの家
を通りかかったときのこと。
昼間の暑さに閉口したのか、マックくんは僅かな涼を求め
玄関先に駐車してある車の下に頭を突っ込んで寝ていた。
身体は大きくて入らなかったらしい。
犬の浅知恵がユーモラスで可愛らしい。
耳が不自由な犬なので彼が寝ているときは身体を軽く撫
でて挨拶をする。
そうするとビクッと身体を震わせ起きるのがいつものパタ
ーンで、その日も特に他意はなかった。
そんな風に起こしてもマックくんが私に対して怒ったことは
一度もない。
見知らぬ人が家に近づくと吠えるのをみかけることもある
ので、そこは私とマックくんの長年の信頼関係にもよるの
だろう。
起こされると時々は迷惑そうな顔もするのだが…。
そういう訳でその日も寝ているマックくんの身体を軽く撫で
て挨拶をしたのだった。
しかし、そのときはマックくんの頭の位置が悪かった。
ゴンッ!
それは刺激に驚き、飛び起きたマックくんが頭を車の床に
ぶつけた音。
結構派手な音だった。
「あぁ、ごめんなマック、痛かったろう」
マックくんの耳には私のそんな声は届かないことは分かっ
ているのだが、思わずそんな言葉が出てしまう。
同時に身体も撫でてご機嫌もとる。
通常ならば、私の存在を認めると尻尾くらいは振るのだが、
さすがにその日はぶつけた頭が痛かったらしく、そんなこ
とはしなかった。
怒りはしないものの、やはり
『何やってくれるんだ。痛てぇーじゃねぇーか!』
くらいの気持ちはあったのだろう。
マックくん自身も何が起こったのか把握するのに時間が必
要だったようで、一拍して落ち着くと、今度は少しバツが悪
そうな、心なしか恥ずかしそうな、そんな表情を浮かべなが
ら私をみていた。
ごめんなぁ、という気持ちを込め、いつもより長くマックくん
の頭を撫で、そしてサヨナラをする。
まったく…、そんな顔をして私を見送るマックくんの顔がま
た可笑しかった。
友犬マックは、こんな風にして、いつも私を笑わせ和ませ
てくれる大事な友達の一人なのだ。
を通りかかったときのこと。
昼間の暑さに閉口したのか、マックくんは僅かな涼を求め
玄関先に駐車してある車の下に頭を突っ込んで寝ていた。
身体は大きくて入らなかったらしい。
犬の浅知恵がユーモラスで可愛らしい。
耳が不自由な犬なので彼が寝ているときは身体を軽く撫
でて挨拶をする。
そうするとビクッと身体を震わせ起きるのがいつものパタ
ーンで、その日も特に他意はなかった。
そんな風に起こしてもマックくんが私に対して怒ったことは
一度もない。
見知らぬ人が家に近づくと吠えるのをみかけることもある
ので、そこは私とマックくんの長年の信頼関係にもよるの
だろう。
起こされると時々は迷惑そうな顔もするのだが…。
そういう訳でその日も寝ているマックくんの身体を軽く撫で
て挨拶をしたのだった。
しかし、そのときはマックくんの頭の位置が悪かった。
ゴンッ!
それは刺激に驚き、飛び起きたマックくんが頭を車の床に
ぶつけた音。
結構派手な音だった。
「あぁ、ごめんなマック、痛かったろう」
マックくんの耳には私のそんな声は届かないことは分かっ
ているのだが、思わずそんな言葉が出てしまう。
同時に身体も撫でてご機嫌もとる。
通常ならば、私の存在を認めると尻尾くらいは振るのだが、
さすがにその日はぶつけた頭が痛かったらしく、そんなこ
とはしなかった。
怒りはしないものの、やはり
『何やってくれるんだ。痛てぇーじゃねぇーか!』
くらいの気持ちはあったのだろう。
マックくん自身も何が起こったのか把握するのに時間が必
要だったようで、一拍して落ち着くと、今度は少しバツが悪
そうな、心なしか恥ずかしそうな、そんな表情を浮かべなが
ら私をみていた。
ごめんなぁ、という気持ちを込め、いつもより長くマックくん
の頭を撫で、そしてサヨナラをする。
まったく…、そんな顔をして私を見送るマックくんの顔がま
た可笑しかった。
友犬マックは、こんな風にして、いつも私を笑わせ和ませ
てくれる大事な友達の一人なのだ。