根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

映画『ツリー・オブ・ライフ』

2011-08-22 21:59:20 | エッセイ、コラム
監督・脚本:テレンス・マリック、出演:ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステイン他の映画『ツリー・オブ・ライフ』を観てきました。

ストーリーは1950年代のアメリカ・テキサス州のとある町を舞台に、オブライアン家夫妻(ブラッド・ピット、ジェシカ・チャステイン)とその三兄弟の長男・ジャック(ショーン・ペン、少年期はハンター・マクラケン)の子供時代の回想という形で進行するものです。
厳格な父とそこに戸惑いを覚える長男・ジャックの胸の内が骨子でしょうか…。

分かりにくい作品だとは聞いていましたが、ホントに難解な映画でした。
ストーリーの中途に挿入される比喩や象徴に満ちた映像が何を意味するのかが分からなければ、非常に退屈な作品に思えるでしょう。
理科Ⅰくらいまでの科学的な知識と、キリスト教的価値観が皮膚感覚で身についてないと、監督が放つメッセージはよく理解出来ないのではないかと…。
万人向きではありませんが、アーティストを自認する人、もしくは芸術鑑賞が好きな人には、面白く思える作品と言えるでしょう。
幻想的な映像を楽しむ要素も多分に盛り込まれているので、これから観に行かれる方は大きなスクリーンがある劇場での鑑賞をお奨めします。

8月の初めに

2011-08-01 08:58:44 | エッセイ、コラム
例年ならば梅雨明け直後で空はカンカン照りで1年中で一番暑い盛りであろうに、なんだか『戻り梅雨』というものになってるらしく、気温低めで蒸し暑いという、文字通り梅雨の様相を呈してる。
植物や虫も戸惑っているみたいで、先頃までの酷暑にのって咲いてはみたものの、あれなんか違うぞ!? っというような表情をみせていたり、普通の夏ならうるさくて仕方がないセミの唄声も弱々しい。

かくいう私もやっと冬場と震災あとから続く心身の倦怠感から抜け出せたと思ったら、今度はしつこい夏風邪になってしまいこの1週間ほど再び低調のなか漫然と生きてる始末。

でも、これまでと違ったのはカトリック教会という今までとは異なる新しい居場所があったため、表面上の薄っぺらい人間関係ではないものにまみえる機会に恵まれた事。

あとは一昨年の遺産から、それまでには接触する事もその発想すらなかったアーティストさんという人種やそれを取り巻く人々に出逢えた事も、今までの人生にはなかった事もかな。

元々、人生を長期スパンで考える事は諦めていたのだけれど、なんだか開き直って、それまで自分を縛ってきた固定概念や既成概念から離れ、興味の赴くまま、運命を天に任せて『何か』に導かれるかの如く、示される方向に進んでいたら、幸も不幸も含めて、面白い現場に居合わせる場面が多かったというだけの話し。

他人の幸せを一緒に喜び、また不幸せに貰い泣きするなんて事も今まで生きてきたなかで一番したんじゃないかな。

過去の反省点は反省点とし改め、今という時を精一杯駆け抜ける事で開けていく未来もある。
ミクロながらこれは私が経験した事だし、自信を持って言える。

天変地異を発端に日本が沈没しそうになっていて、8月なのに曇天で気が滅入るような気候になってる現在の状況だからこそ、自暴自棄ではない刹那主義が求められる。
今を楽しまなくて、何時楽しむ、明日なんて来ないかもしれないのに…。

明日の事は明日考えれば好い!!



写真は百日紅。戻り梅雨に戸惑いながら、でも一生懸命花を咲かせていました。