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「荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟」 荒木飛呂彦

2013-06-12 | 本と雑誌

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集英社新書 222ページ 740円+税

前作「ホラー映画論」に続いて、今回は サスペンス映画論。
エンターテイメントの基本は「サスペンス」にある。漫画を描くにあたり、「理屈抜きに楽しい」とは、具体的にどういうことをいうのか? 「ハッピーな気持ち」になれるストーリー、とは、どんなものなのか? 人が感じる「有意義な時間」とは、どんな体験をさすのか? こういうことを具体的に考えたところから、サスペンスの5つの条件を見つけた。
①一番大事な「謎」
②「主人公に感情移入できる」こと。
③「設定描写」の妙。良い設定gあれば、観る者はその世界観に没入することができる。
④「ファンタジー性」。誰もが憧れうぃ抱く、日常でありながら非日常の世界。
⑤「泣ける」かどうか。
一方でサスペンスのない作品は、○○星人がやってきた、アクションスターが戦って、戦って、そして勝利を得たというような映画。

「96時間」「ヒート」「大脱走」「ジョーズ」「ジュラシックパーク」「キャリー」「危険な情事」「ファイヤーフォックス」など、ここが見所、泣けるのはここ というようにずばりと解説しています。
「ミスティック・リバー」「シュレック」「マスター・アンド・コマンダー」「ミッドナイト・ラン」は観ていなかったので、次にTSUTAYAに行ったら借ります。

メモ
・情事サスペンスに傑作が少ない理由。次の要素が揃わないとできない。
①「脚本」。観客が女性の裸をお目あてに来ている映画のために、普通。脚本を練りに練ることはしない。
②「関わるスタッフの心意気」。情事サスペンスは家族で楽しむような映画ではないため、興行的に不利。
③「女優の脱ぎっぷり」。中途半端に女優が脱いでいる情事サスペンスは、見るに堪えません。
④「監督の資質」。監督には、サスペンスとエロのセンス、この両方が求められる。

・ドリームワークスのカッツェンバーグ;「ディズニーは子供と、大人の中にある子供心に向けて映画を作るが、ドリームワークスは大人と、子供の中にある大人心に向けて映画を作る」

映画そして監督についての分析が見事。反論の余地がありません。面白いということはこういう仕掛けがあったのかと気付き多数あり。
今までには無かった映画論の本。お薦めです。


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