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「MBA流キャバクラ経営術」 サイモン・バーソロミュー・カワシマ

2011-10-22 | 本と雑誌

Mba

ライブドア・パブリッシング 256ページ 1200円+税
今まで経験と勘と度胸でやられているキャバクラ経営に対して、MBA流に分析、計画立案、実行、チェック、フィードバック。これに従って実際にキャバクラを開店させ大きな利益を上げたという実績に基づいた解説書。

著者は大手小売業のマーケティング部門、投資会社そして現在は出版社に勤務するサラリーマン。この傍らでキャバクラ経営を始めて年収5000万円を達成。
キャバクラ経営を始めるにあたり、「環境分析」「キャバクラ経営の本質」「製品・商品」「価格」「演出」「チャネル」「プロモーション」の分析を実施。これを本書にまとめています。
たとえば「環境」の分析では、景気低迷によって企業の交際費が大幅に削減されキャバクラの客層も交際費族から一般のサラリーマンや中小企業経営者が変化。石原知事の取り締まり強化によって、開店のエリアやキャスト・スカウトの方法が変化したなどの分析がなされています。
「製品・商品」の章ではステータス・オークションの論理にてキャスト間の嫉妬発生の課題解決をはかる手法が紹介されています。ステータス・オークションはこの本で始めて知った言葉です。
キャバクラの経営のみならず、他の業種、業務にもこの本の考えは展開できます。

本題に「MBA流」と付いていますが、これはあくまでも本を売るためのネーミングです。4P分析、損益分岐点分析など、マーケティングの入門書レベルの分析テクニックの説明に留まっています。これ以外は、キャバクラ経営にあたって、たとえばキャストやスタッへの気配り、モチベーションアップの手法などのノウハウの記述になります。著者名サイモン・バーソロミュー・カワシマも、MBAらしく聞こえるように考えられたペンネームかと思います。ずばり、MBAとは言えない内容です。このあたりは、作者か編集者、出版社のあくどさが見え隠れします。

MBA流という言葉を切り離して読めば、キャバクラの開店・経営についての学び、またこれの水平展開として、数値での把握+人間の心の把握 という観点の書籍としては優れた内容かと思います。


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