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「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」 荒木飛呂彦

2013-06-21 | 本と雑誌

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集英社新書 238ページ 760円+税

後先が逆になりましたが、荒木飛呂彦さんの映画論の1作目の本書を読みました。2作目「荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟」、これが未だかつて無かった映画解説本。一般論、汎用性は斬り捨てて、著者の考え、思い入れで良き映画を選び、解説していて惹かれてしまいました。1作目の本書を購入して読むに至った次第です。

まずホラーをジャンル 10個に分けて作品を解説。この分類も著者らしい。1個目に「ゾンビ映画」が出たかと思うと、2個目が「田舎に行ったら襲われた系」そして「スティーブン・キング・オブ・ホラー」があったかと思えば「不条理系ホラー」がある。MECE(モレ無くダブり無く)なんて関係無し。いいですね、この割り切り。
私なら(そう、「私なら」と感情移入できる新書です)、本書には無い「吸血鬼系」をトップに持ってきますね。

日本映画では「リング」と「呪怨」のみが取り上げられています。これは著者に合意。特に「リング」の怖さは別格、さらには日本ならではの恐怖が描かれた名作です。

メモ
・ゾンビを演じる俳優にしても、普通の映画だったらそれぞれ個性が求められるはずなのに、ゾンビ映画は個性を完全に排除するような作られ方をしている。
・「13日の金曜日」が殺人見本市と化したことで、(中略)「美男美女のティーンエイジャーが出てきたら、彼らの中でエッチしたカップルは必ず殺される」というようなもので、いつの間にかそんな傾向になっていきました。
・私的ホラークィーン・コンテスト (1)やや暗い性格。心に傷を負っている。 (2)キビキビと動ける反射神経の持ち主。トロくない。 (3)カワイイけどSEXYではない。清潔感がある。エロくてはいけない。 (4)アスリートのような引き締まった筋肉質の体。けれどマッチョではない。 (5)恐怖を克服する強い意志の持ち主。恐怖に固まったりしない。

思いきった評価、しかしそれが論理に裏付けられている。私もホラー映画ファンなので、本書に取り上げられた映画はほとんど観ていました。その中で、「そうだろ!」というところもありますが、「えっ、こういうみかたがあったの! もう一度観なければ」とうなるところが多数ありです。参りました。
映画ファンにはお薦め、いや外せない本です。


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