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へんたい みやけ さんの仮想世界? 理想郷

「麒麟の翼」 東野圭吾

2011-04-12 | 本と雑誌
講談社 326ページ 1600円+税

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東野圭吾さん 44冊目。
ナイフが胸に刺さった男が日本橋の麒麟の欄干で死んだ。この殺人容疑者は逃走中に交通事故で死亡。物取り目的の殺人としてかたがつけられようとしていたが、そこに加賀恭一郎が登場。
警察は事件を終わらせようとしているが、被害者の妻、子供達 そして容疑者の恋人 どちらにも心に傷が残り、新たな生活が始められない。これを解決するために加賀恭一郎が捜査を進めると・・・。

加賀恭一郎ものとしては連作短編集「新参者」の続き。加賀恭一郎が日本橋署の刑事として実績を積んで、この土地柄を良く把握した状態になったところの話です。
いつもながら、加賀恭一郎は事件で傷ついた人達のために、回り道のように見える捜査を重ねます。この結果真相を解明してくれます。

容疑者の恋人と加賀恭一郎の会話。
「口先だけだと思っていますね、きっと。世の中を甘く見ている、とか。」
「もし世の中を甘く見ているのなら安心だ。どこにも光がないと絶望しているほうが、余程心配です。」
加賀恭一郎はこういう言葉で事件に巻き込まれた人達の心を癒し、そして事件を解決させていきます。

推理小説としては、犯人への行き着きの筋が弱いところがあります。
しかしながら、読み終えた後の充足感はただものではありません。お薦め作品です。


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