講談社文庫 326ページ 552円+税
東野圭吾さん 50冊目。
2009年10月に「むかし僕が死んだ家」を読んで以来、1年半ほどで 東野圭吾さんの作品 50冊目に到達しました。こんなに短期間で同一作家の作品をこれだけ読んだのは初めてです。
多作でありながら、品質を維持する、さらにこれだけではなく新機軸を展開していく東野圭吾さん。まさに化け物作家です。今年も続けて新作が刊行されています。底なしの創作力があるようですので、これからも長期にわたって楽しませてくれることは間違いないでしょう。
さて本作「魔球」
春の選抜高校野球選手権、9回二死満塁でこの大会の注目のピッチャー 須田武志は 揺れて落ちる 魔球 を投げた。バッターは空振りするが、ワンバウンドしたボールをキャッチャー北岡明が受けることができず、サヨナラ負けを帰する。
大会後 キャッチャーの北岡明が愛犬と共に刺し殺される事件が発生。同じ頃、大手電機メーカー 東西電機に爆発物が仕掛けられる。
この2つの事件を刑事 高間が追っていく。
Wikipediaで調べたところ、この魔球は発売は1988年ですが、完成したのは1984年。すなわち1985年の江戸川乱歩賞を受賞した「放課後」よりも先の作品です。すなわち、東野圭吾さんの最初期の作品にあたります。
高校生の殺人事件と、企業爆破未遂事件、全く関連性のなさそうな2つの事件を軸として謎が深まっていき、それが最後に解明される様は東野圭吾さんならではの構想、構築力です。さらに、人を守るために誰かが嘘をつくところは加賀恭一郎シリーズを彷彿させてくれます。
1990年以降の作品と比較すると筆致が稚拙と感じるところもありますが、これも東野圭吾ファンとしては大いに楽しめました。
お薦め作品です。
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