大映特撮映画DVDコレクション Vol.12 1850円+税
2006年 作品。
1973年三重県の志摩でギャオス 4体とガメラが格闘。最後はガメラが自爆してギャオスの群れを倒した。それから33年後、小学生の透は島の赤い光を見つけ、そこで赤い石と卵を発見。透が卵を手に取った時、カメが孵化した。透はカメを家に持ち帰りトトと名付けて飼い始める。しかし、そのトトは空中に浮かぶ能力を持つとともに、数日で体長1mまで成長した。そうした折、海から新たな海獣ジーダスが現れ人を襲い始める。そこに更に成長したトトが現れジーダスと戦う。ジーダスを撃退したトトであったが満身創痍になり自衛隊によって捕獲され名古屋へ運ばれる。
平成ガメラ 3部作の後に作られたガメラのスピンアウト作品。本作を 0.1として、私は平成ガメラ 全3.1部と個人的に言ったりしています。
冒頭の回想シーン。33年前の4体のギャオスとガメラの戦いがうれしいサービス。プラズマ火球で1体を倒すが、3体のギャオスに攻められる。その時ガメラは自爆してギャオスと相打ち。平成ガメラ 3部作を彷彿させる 素晴らしいシーンです。ただし、ギャオスの超音波メスの光線色がオレンジ。平成ガメラの1作目「ガメラ 大怪獣空中決戦」では黄白色であったこととの相違が気になるところではあります。
前半は小さなガメラと子供達。空中浮遊したり、火炎をはいたりしてガメラの幼体であることを示しつつ、明るく子供との心の交流を描きます。そして、後半は昔この地でガメラに倒されたギャオスの肉体を食べた海洋生物が突然変異して発生したジーラスなる怪獣と成長しきっていないガメラの戦い。ガメラはやられっぱなし。ガメラが危機に陥っているのに、親子の会話が長い。「しゃべっている時間があったら、その間にガメラに赤い石をとどけろ!」と怒鳴りたくなるくらい、いらいらします。ここの台詞は半分以下にしていただきたいところです。
ラストシーンに注文ありです。ガメラの飛行音が違うのです。ガメラの飛行音は昭和も平成も同じ、聞き覚えのある格好良いもの。しかし、本作は「なんだこれは!」という情けない音です。成長しきっていない、小ぶりなガメラだからなのかもしれませんが、寂しいです。体長が1/2だから 従来から1オクターブ高い飛行音にする とか、こういうこだわりが欲しいところです。
いろいろリクエストはありますが、ガメラファンの私とすれば本作は冒頭の1体4の格闘シーンだけでも満足です。
大映特撮映画DVDコレクション全国版 2015年 3/3 号 [雑誌] | |
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