「ウイスキーが、お好きでしょー」で始まるサントリーのコマーシャル、なかなかにいいもんですねェ。
いかにも
(まずはハイボールをごきゅごきゅっと飲って、全身の細胞を再起動。それから何かウマいものをちょいとつまんで、と...)
と、呑み本能に直球勝負で挑んでくる。
でも、同社のコマーシャルと言えばやっぱり
「ランランリラン シュビラレ...」
の男性スキャットのほうが、ずっと強烈な印象として記憶に残っております。
あの静謐さと、骨太な生き様を思わせる台詞。まさにウイスキーは成熟した男にふさわしい飲み物だったのであります(成熟した女性でもいいけど)。
しかしそんな雰囲気を押し出しても、今の低体温世代の若者には支持を得られないのだ。
いつの間にか世の中は、渋さより楽しさ、成熟よりフレッシュさを優先させる風潮に変わってしまったのだ。
まま、それはいいとして...。
本日は見事に復活を遂げ、現在売上を伸ばしているというウイスキーに合う缶詰を紹介したい。
それは千葉産直サービスが送り出す『とろさば みそ煮』缶なのだ。
本日も開缶!
すでに、コクと滋味を思わせる素晴らしい味噌ダレの香りが立ち昇ってくる。
「もーこのまま缶からいきたい!」
という欲求をぐっと抑え、加熱&盛りつけ作業に移行する。
サバ缶は加熱することが肝要だ。
身に含まれる脂分が溶け出すので、その旨味が全体に行きわたるのだ。
オーブントースターで加熱すると簡単(必ず開缶してから)。
あるいは器に開けてから、電子レンジで加熱してもよいのであります。
そのあいだに酒を用意。
今回はやはり角ハイボール缶から始めたい。
去年の10月に、この缶入りの角ハイボールが発売されていたらしい。知ってました?
かくのごとし。針生姜を添えてみた。
このとろさばみそ煮は、きび糖が利いた甘めの麦味噌ダレが最大の特徴だ。
そしてその甘さが、燻蒸香の強いウイスキーにマッチするのであります。
原材料のサバは、三陸沖で捕れた旬のマサバ(400g以上)に限定される。それを生の状態から使用している。
素材にこだわる同社の魚缶詰を食べた小泉武夫氏(醸造・発酵学で著名な博士)が
「初めて魚の鮮度を感じさせる缶詰を食べた」
という感想を残したという。小泉氏は食べることに情熱を燃やす人で、幼い頃から缶詰好きでもあるらしい。
さらに、かくのごとし。
独酌膳に酒と肴。舞台は完璧であります。
早速、とろさばみそ煮をひと口食べてみると...。
背側は歯応えがあり、腹側は脂が乗って柔らかい。骨の感触が比較的しっかりと残っていて、ぽりぽり食べる楽しさがある。
咀嚼を終えて飲み込むと、そのあとの口中には、いつまでもいつまでも味噌ダレのコクが残っている。
これが最高にウマい。
よだれがじわっと湧き上がるほどだ。
そこにぐびびっとハイボールを流し込んで、筆者は昼からすっかりいい気分であります。ういー。
ここからディープな世界へ行くには、こいつを肴にフォアロゼ・ブラックを飲むのがよろしい。
バーボンにしては甘口のフォアロゼ・ブラックが、この甘辛い味噌ダレと見事にマッチするのだ。
本当にオススメですぞお。ういー。
内容総量:180g
固形量:135g
原材料名:さば(三陸沖)、みそ、砂糖、醤油
原産国:日本、千葉(販売:千葉産直サービス、製造:信田缶詰)