スペインでは、ぐでんぐでんに酔っぱらった人を
「このタコが!」
というらしい。
タコにとっては迷惑な形容だが、そういう国に限ってタコが好きなのだ。
日本も同じ。
「この好かんタコ」などといったりしながら、タコをあらゆる手段を使って食べている。
タコの名誉は回復されるが、タコのお命は狙われる。
タコの幸せとは何だろう。
ということで、本日はスペイン産のタコの缶詰。
スペイン語ではタコを「プルポ」という。
プルポを塩湯でして、オリーブオイルに浸けたものらしい。
こちらはオマケのイカ缶。
イカスミごと、“ホットソース”に浸っている。
イカスミの香ばしい匂いが立ちのぼる。オマケといいながら、タコよりも美味そうに思えてきた。
ちなみにイカはスペイン語で「カラマリ」だ。
皿に一部を開けてみる。
タコの切り身が大きい。元の個体が大きかったのだろう。
何となく、念仏を唱えておく。
イカは細かくちょん切られているので、元の大きさは分からない。
ちょいとつまんでみる。
やっ、タコは歯ごたえもあり、独特の繊維質も味わえる。
味付けが薄い塩味で、とても上品。
イカも美味い。イカスミのコクがまとわりついていて、飲み込んだあとにピリッと唐辛子の辛みがある。
このまま、ワインとかシェリーの当てにしたら最高。
かくのごとし。
昼食時だったので、スペイン風焼きそばにしてみた。
もっとも、スペインに焼きそばがあるのかどうか知らない。缶詰のオリーブオイルで炒めたので、そうなってしまったのだ。
ではでは、失敬して一口...。
ふーむむむ、美味しいといえば、美味しい。
しかし、オリーブオイルで仕上がった焼きそばというのが妙な感じである。
一寸、茫漠とした味なのだ。
主役のタコは影が薄くなった。自身のスミにまみれたイカは旨味が強く、そのうえ麺にもその旨味を移してやっている。
オマケだったイカは、実は気配り上手のいい奴だったのだ。
こうなるとタコが気の毒になってくる。しょうがないからまた念仏を唱えることにした。
また食べてやるかんな。
内容量:113g
タコの原材料名:タコ、オリーブオイル、塩
イカの原材料名:植物油、トマト、玉ねぎ、イカスミ、スパイス、塩
原産国:スペイン(GOYA FOODS)
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