中高生の頃。
ピザトーストは、猛烈に好きな食べ物でありました。
本当に食べたいのは“ピザ”なのだけれど、当時住んでいた町には、ピザを出す店はなかったんです。
おまけにピザは、高級な食べ物でもありました。なかなか口に入るものではない。
何となれば、代用食として大きくクローズアップされたものが、ピザトーストだったわけです。
さて、今回の酢漬けのオリーブは、どこに関わってくるのか。
ちょん切ると、愛らしい鮭の小片が出てきた
このMIRASOL®のオリーブ缶詰は、以前にも登場したシリーズであります。
アンチョビを入れたのやら、パプリカを入れたのやら、はたまたレモンを入れたのやら。
もう、いろんなものを詰め込んでは、出荷しているようです。
さて、このオリーブの実というもの。子供の頃に恋い焦がれた、西洋文化の象徴でもありました。
以下の情景を、イメージしてみてください。
午後のカフェで、一人の老人が、安酒を飲んでいる。
重ねた受け皿の数が、これまでに飲んだワインの数を示している。今日はすでに5杯目。
老人は、時折、手元のオリーブの実をつまんで口中へ入れる。長いこと噛んでから、震える手の中に「ぷっ」と種を吹き出し、床に落としていく。
ギャルソンが迷惑そうな顔で、その老人を眺めている。
しかし、金はきちんと払っていくのだから、彼も文句は言えない。
彼は、そのみすぼらしい老人を、目にしたくないだけなのだ。
自分もいずれは年老いていくことは、考えれば分かるはずだ。だがまだ若い彼は、人生の終演というものを、目の当たりにしたくないだけなのだ。
...と、こういう情景を、小説なり絵本なりで読んで、感じ入っていたのであります。
後半の描写は、書いているうちに付け足したくなった、キザな装飾ですが...。
ともかくも。西洋文化に憧れると、洋食にも憧れるんでありますね。
かくのごとし。ピザトーストにオリーブが乗っかるということが、私にとっての夢の実現なのであります。
憧れのピザ(トーストだけど)に、あのご老体のオリーブ(創作だけど)がプラスされたのですから、これ以上の贅沢はないんであります。材料さえあれば、毎朝食べて贅沢しております。
ところで...。
このオリーブ缶のシリーズは、たばこ代よりも安く売られております。
「夢の実現」などと大仰なことを言ったわりには、ずいぶんと安価で実現出来ちゃうんであります。そういう、ありがたい時代なんでありますね。
内容量:300g(固形物130g)
原材料名:オリーブ、水、食塩、サーモンペースト、調味料、酸化防止剤(ビタミンCなど)
原産国:スペイン