初めてレバーペーストを食したのは、まだ学生の頃であった。
「こんなに美味いものがあったのか...」
その感動は、衝撃的ですらあった。レバーはそれほど好きではなかったはずなのに、あの匂いこそが、レバーペーストでは美味さとなっていたのだ。
愛らしいロゴ 鶏のレバーだと分かる
それからの数年というもの、私はレバーペーストの虜となってしまった。
輸入食材を扱う店を廻り、それぞれ味を試した。作り手によって、レバーペーストはずいぶんと味が違ってくる。肝心のレバーにしても、牛、鶏、ぶーちゃんと三種類あるのだ。
そうして最後に、私は『ケーニッヒ』に辿り着いた。多摩・武蔵野地域在住の人々のあいだでは有名なハム・ソーセージ店であるらしい。
忙しい朝に、至極便利な食材
紺色のヤマハに乗り、連雀通りを軽快に走り抜けていく。
学芸大学の南門を左手に見て、新小金井街道を突っ切る。ここで連雀通りとは分かれる。JR小金井駅の北口ロータリーを経由して、今度は北大通りへ。ここも東西を抜けていく通りで、樹木が多く気分のいい道路だ。
わずかに空気が変わり、家並みの奥に畑地が見えてくる頃、通りの右側にはケーニッヒが現れる。車で来た場合は店の人に声をかけて、わずか一台分のスペースに置かせてもらうことになる。北大通りは狭い通りなので、路駐は出来ないのだ...。
ふーむ、レバーペースト瓶一つで、私の脳は遙か昔に旅立ってしまった。そう、上記の文章は想い出のシーンなのであった。
さて、今回の瓶詰めさんだ。見た目は肉の繊維が豊富に混じっていて、コンビーフに似ている。これは珍しいと思う。通常はしっかりと裏ごしをしているから、きめ細かいものなのだ。
匂いは鶏らしくあっさりしている。味付けはしっかりと塩が利き、いかにも洋風の味わい。
美味い。肉の繊維が独特の歯ごたえを持っているのが、何だか素朴で好ましい。
内容量:100g(これくらいが、使いやすいサイズ)
原材料名:鶏レバー、鶏肉、塩、胡椒(以上憶測)
原産国:ポーランド
※ブログ仲間Noritanからのいただきものシリーズは、これにて終了。大変美味でありましたよう。