カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

自給自足とは

2015年04月03日 07時40分55秒 | 生き方

自給とは

グローバル化とは反対の言葉ですね。

つまり誰かが「グローバル化」を唱えるなら、それは過剰生産したものを相手に押しつけて輸出することにほかならず、反対に「自給」はグローバル化」をさえぎるため自分には有益ではないと考えているのでしょう。

食糧の自給率が

話題になる日本ですが、工業だけに力を入れすぎて反省しているというところ。

根本的な農業改革をしないと、TPPによってますます日本の農業は衰退するでしょうから、自民党による小手先だけの農協改革といえど、まずは第一歩かも。

地産地消がブームとなっていますが

農水産物を生産した地域で消費するというのは、ある意味で自給自足なのでしょう。

為替操作をできる人たちが

常に有利になり、それができない人たちはいつも「恣意的な操作に振り回される」のです。グローバル化」を唱える人がいつも為替操作できるとは限りませんが、少なくとも、為替変動にすばやく対応して、対応に遅れた人をカモにしている、と言えば言いすぎでしょうか(笑)。

金融資本の行き過ぎた行動に歯止めをかける必要性は、いつもあるのでした。

さて賢人たちは、どのように「自給」をとらえているのでしょうか。 


李朝時代の一般庶民は、商人卑賎視、商業抑圧のイデオロギーとその実践の被害をまともにこうむり、ほとんど自給自足に近い極貧の経済の中で500年間の生の営みをくりひろげねばならなかったのである。:古田博司「朝鮮民族を読み解く」ちくま学芸文庫

李氏朝鮮〔李朝〕は、中国の属国となった期間があまりにも長かったため腐敗・腐敗の連続でした。

言い替えるなら、腐敗したのは、「長かった」からではなく、「中国の属国だった」からで、創意工夫することが許されなかったから、でしょう。

これによって朝鮮半島人がやむを得ず生み出したのが「パクリ精神」だった、という結論なら多くの人が納得できることでしょうか。その証拠に「こそこそ」ではなく堂々とまるで「権利」であるかのようにパクリ続けています。

いくらパクリの「正当」な根拠を挙げようとも、精神の枯渇そのものしか見えてきません。

現在の朝鮮半島南部、つまり韓国は、せっかく独立を果したにもかかわらず、近年またまた中国に寄り添いはじめましたが、これは偶然のことではなく、歴史的な「中国属国化願望症」とでもいいましょうか(笑)。

最近何かと日本のあら探しをしたがるのは、ガラの悪い中国に従わざるを得ないケンカ好きな韓国の暴力志向の「反動」としての息抜きに違いありません(笑)。まぁお幸せに!

李氏朝鮮〔李朝〕時代には、自給自足を達成したというよりも、自給自足に拘束されたとも言え、現代の北朝鮮を思い出してしまいます。

海外との交易には長短がありますが、扉を閉ざして鎖国するよりはいい面が多いかと思います。とはいえ、自分の得意分野を強引に相手側に押しつけながら不得意分野を閉ざすようでは、だめでしょう。 


彼らのくらしにはあの悪夢のごとき税金というものがまるっきりない。これは社会主義国をふくめて世界のほかの国にはまだどこにも見られないことなので特筆大書しておきたいが、そんなことを言えば、人びとのくらしの基本である食糧について『北朝鮮』がほとんど完全に自給できる国であることも述べておかねばならないだろう(小田実『私と朝鮮』筑摩書房刊):P.57-59 呉善花「ワサビの日本人とトウガラシの韓国人」祥伝社

小田実(1932-2007)という作家は、伝統にとらわれず世界を見て発言することで知られていましたが、「世界を見て」とはいえ、しょせん「都合のいいところだけを見せられていた」と言えます

「北朝鮮には税金がない」と言っても、強制的に無料で国家のために労働を提供することが税金にほかならず、小田実やかつての社会党は、北朝鮮にとって都合のいいところだけを見せつけられ、美しく賛美していたのでしょう

同じように今から50年後の人は、都合のいいことを美しく述べるだけで、都合の悪いことを言論統制で禁じている中国のことを、「そういえば、そんな程度の国があったな」、と回顧することでしょう。

こんな国がAIIB(アジアインフラ投資銀行)を主導するとし、40以上の国と地域が参加表明しているようです。

私としては、日本は参加すべきかどうかではなく、枠組みを練り上げる段階で参加表明をした国のどこが最初に離脱するか、が興味の対象になっています。詳しくはいずれ別の記事にすることでしょう。


そこにはまず、国内の食料自給率の問題があるといわれます。農水省が2013年8月に発表した12年度の食料自給率はカロリーベースで39%。この自給率39%は先進国のなかでもかなり低い数字で、それだけ日本が食料の多くを輸入に頼っているという見方もできます。

こうしたなかで海外から安い農産物が増えると、国内の食料自給率はさらに低下するかもしれません。農水省は日本がTPPに参加した場合、自給率は39%から27%に低下すると試算しています。ただし、カロリーベースでの自給率には異論もあり、諸外国と同じように生産額ベースで算出すると日本の自給率は69%。けっして低くないという意見もあります。(野中ツトム/清談社)THE PAGE 2013年12月11日(水)10時46分配信

食糧の自給率は重要な問題です。

日本では、かつて自民党が票を獲得するために農業を保護し「悪いようにはしないから」と農業従事者の自立の芽を摘んだことが、今の食糧自給率の悪さにつながっている、と考えます。

突然の武力で問題を解決する国は、以前に比べると激減してはいるものの、中国やロシアなどは今でも何をし出すか分りません。

食糧を「脅しの材料にする」国は、これからも出てくるでしょう。

    • 中国は、レアアースの輸出を禁止して世界を敵に回したものですが、膨大な人口を支えるために食糧の輸入国に転じているのであり、きっと中国共産党はこれらを有力な脅しの材料にし続けることでしょう。自国のことで精一杯、例え「言葉の上」であっても全体のことなど眼中にない中国でした。
    • レアアースの場合は、代替素材を考えることができましたが、食糧の場合はなかなかそうはいきません。
    • 日本では、米の生産を自由にさせることで、低価格の良質米を生み出せる能力があるはずです。保護し過ぎてはいけません。

混乱を覚悟してでも、農業を活性化させる必要があります。その為には今のところ、残念ながら農協を利用して票集めをした自民党が、農業を改革しなければならないのでしょう。 


かつて故桂枝雀〔1939-1999〕は、桂小米時代に語っていました。

「老後の夢は自給自足」

今はリンク切れになっていますが、桂米朝一門のサイトでこう述べていました。

私の推測に過ぎませんが、庭に野菜を植えることを意味していたのでしょうが、最近こんな「夢」をもつ人が増えましたね。

今や渓流釣りは「釣り堀化している

と私は思うのです。遠くで飼育した稚魚を買ってきて放流し、料金を取って釣り人に開放しているところが多いからです。

同じように田んぼも「釣り堀化」している

と思います。それは、水をはった田んぼ〔自分の所有か借り物かはどうでもいい〕に、どこかから早苗を買ってきて植えて、収穫し、これを販売するのですから、釣り堀と何ら変りません。

家庭菜園で野菜栽培をするにしても

種を買って育てて自分で食べるのですから、加工食品に頼るのよりはマシだとはいえ、来年の種を得るまでの苦労はしないでしょうから、しょせんはマグロの完全養殖のようにはいかないのでしょう

しかし魚釣りで生計を立てるのが相当大変なのと同じで、気象条件や害虫などの対策をしなければならない家庭菜園は、そう簡単ではないと思います。この対策がうまくいったとしても相当高価になってしまい、元を取るためには大規模にする必要があり、結局は菜園放棄に至るのかも(笑)。 


平野集落は一つの例だ。島全体がこの運命を負うている。例えば海に囲まれていながら、ほとんど漁村がない。はじめ不思議に思えた。

しかし考えてみれば、いくら魚をとっても買ってくれる相手がいなければ漁業なんて成り立たない。島の中では野良仕事の帰りにちょっと浜へ出れば、貝でもタコでも伊勢海老でもすぐとれる。夕方、家路を急ぐ百姓が、よく荒い編目のビクのようなひなびた籠を下げているのを見る。その中には、とりたての夕飯のお菜が入っているのだ。そのくせ町の料理屋なんかで出すのは、色の変ったような内地もののマグロの刺身。浜でひろうようなものはお金をとる御馳走とは思っていないのだ。

パパイヤの自然林があって毎年実がなり地面に落ちているというのに、拾いもしないと聞いたのには驚いた。なるほど、自給自足の経済で、拾うだけの手間のものなら価値として認識されないのは当り前のことだ。

:P.56-62 岡本太郎「沖縄文化論」中公文庫2011/06/2516刷発行〔1972年10月中央公論社の文庫版〕

これは、沖縄が本土へ復帰した1972年(昭和47年)5月15日の直後の出版であり、岡本が石垣島の北部・平野地区を視察したときの記録です。

おもしろいのは、「魚をとっても買ってくれる相手がいなければ漁業は成り立たない」という部分で、自給自足のための漁業よりも、買ってきたほうが安くつくと示唆しています。

結局のところ家庭菜園も、単なる気休めに過ぎないのかも知れませんね。 












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