カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

西暦の上2桁省略について

2015年12月18日 03時26分38秒 | その他

ここでは「西暦を下2桁で表わす」ことについての疑問を発しており、年月日を表現するにあたって、「年」を西暦にすべきか、和暦にすべきか、には触れていません。


その昔

  • コンピュータが生まれた頃、少しでもメモリを減らすために必死の努力が払われました。4桁の西暦の年号を「下2桁」で代行する工夫も、その一つでした。
  • 「1970年」を「70」として、その場をしのぎましたが、コンピュータはその後、どんどん進化して普及し、パソコンなるものまで生まれ、やがて厄介な問題が発生します。

つまり

「下2桁」で年号を記述していると、「80」「90」から「99」となり、西暦2000年には「00」となります。こうすると並べ替え(ソーティング)時に、必然的に「00」が「1900」と見なされてしまう、と懸念され始めました。いわゆる「西暦2000年問題」です。

この問題は、ぎりぎりになって

  • なんとか解決されたようで、一部で不具合が生じたかも知れませんが、対策が功を奏し、大きな問題は回避されました。
  • これはコンピュータが生まれた1950年ごろには50年後など遠い未来の話であり、メモリの価格も相当高かったために起こった問題でした。
  • この結果、年号が4桁で処理されることとなりました。しかしこれでも、4桁の「西暦9999年」の次の年には5桁の「10000年」になるので、やはり「0000」に回帰し誤動作を起こすと考えられます。
  • やはり8000年後は遠い未来の話なのでしょう(笑)。
  • 今パソコンのエクセルでも、西暦1900年以降しか年月日を扱っておらず、もっと昔の時代が混在する分野を扱う場合、別の年号表記を工夫しなければなりません。

さて、それはさておき・・・・ ←えっまだあるの?

ここからが本論ですが、こうやって年号を4桁表記するようになったのはいいとして、「文章の中」で、新しく別の問題が起こりました。

  • 繁雑を避けるためか、最初は「2015年」としておきながら、次から「14年」などと表現している例が散見されます。
  • 話が1980年の頃だと仮定すると、最初は「1980年」としますが、次からは「81年」などとなるのです。
  • 和暦では、昭和60年というのがありますが、さかのぼれば、昭和20年というのがあるため、2回目から「20年」としては、平成20年なのか、昭和20年なのか、分らなくなります。
  • 話の前後からそれを判断できるから問題はない、とガンバルのですが、話の筋道によって、「これは西暦のこと」「これは昭和のこと」「これは平成のこと」と判断するよう要求してはいけません。
  • これは話の内容によって、その文章の文字の読み方を変える、のに匹敵します。「った」の場合、「おこなった」か「った」かは内容を判断して読め、というようなものですが、前後を判断してもう一度読み返す必要が出てきますね。ですから私などは「行なった」と「行った」というように送り仮名で一目で区別できるようにしています。つまり「行った」はあいまいだと判断しています。
  • 学校教育ではできるだけ統一したいので、「本則」に従うよう求めますが、「許容」も範囲内なのでしょう。
なぜ常に「2010年」「昭和10年」「平成10年」とできないのでしょうか。書くのが邪魔くさいのですか。文面がはんざつになるからですか。くどいからですか。しかしそれらのどれも、短期の命を想定したものであり、長い期間にわたる文章を考慮していないのでしょうね。
日本では、2010を '10 とすることのほうが繁雑で読みにくいはずなのに、そっくりマネをしているようです。
読みやすさを優先して、年号を表記する場合には、何回繰り返そうとも、「書く煩わしさ」よりも「読み易さ」を優先して、常に
  • 2010年」
  • 昭和10年」
  • 平成10年」
と表記するよう、主張する次第です。「10年」だけでは、前後を読まなければ、判別できないからです。 

さらに付け加えるならば、繰り返しを表現する場合に

  • 「〃」
  • 「々」
  • 「ゝ」
  • 「ゞ」
  • 「縦書きの場合の、大きな『く』の字」

などが使われてきました。確かに、

「堂々と」は「堂堂と」よりマシでしょうが

「ほぼ」「ただ」と「ほ」「た

となると、どちらがマシか、意見が分かれます。

もちろん固有名詞としての

いすゞ自動車

は仕方がないでしょうが、古文で見られる

縦書きの場合に繰り返しを表わす、大きな『く』の字 

は、現代では「流行らない」ように思うのです。

皆様は、いかがですか。コンピュータ化した時代の「文字の使い方」については、紙などで使われた旧仮名遣いなども関係して、まだまだ、いや永遠に議論が続きそうです。


2 コメント

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西暦上2桁省略について (つかさ ひろし(ペンネーム))
2019-05-11 07:45:00
常々、パソコンでファイルやデータ作成をするにあたり西暦を丸っとすべて表現して、20190511とか時系列でファイルが並ぶようにしているのですが、お取引先の企業戦士の皆様からはほとんど上2桁を省略されて190511とか送られてくるので、いちいち自分で2桁を足して保存しています。
何故皆さんそうされるのか?資料としてわからなくならないのか?そんなに手間?皆がやっているから横に倣え?それが正しいの?・・・省略が当たり前でしょう!これがビジネスルールですよ!的に送られてくる資料を見るたびにいつも疑問に思っておりました。
ネット上でカンムリワシさんのブログを拝見し、意を得たり!と思った次第です。
略さず正しく年号を表現することに自信を得ました。
ありがとうございました。
西暦の上2桁省略について (はと)
2019-05-11 21:12:42
ありがとうございました。
たしかに「西暦4桁の上2桁省略」問題も、多くの人が採用している方式が必ずしも正しいとは言えないことの代表のような気がします。
経験をつんでくると、かえって先鋭化するものですが、私の場合、逆にだんだんとほかの人の気持ちもわかるようになってきました。
あなたも無理のない範囲で自己流を通せばいいと思うのです。いつも自分が「みんなと一緒」とは限らないのですね。
令和も同じで、01年としても、それが令和01のことなのか、平成01のことなのか、2001年のことなのか、分かりません。「そんなの文面を読めばわかるだろう」というのは、きっと少ない文章を読むだけの人、何回も他人の文章を読み返す癖のある人なんでしょう。

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