『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』 福田美術館

福田美術館
『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』
2024/1/18~4/7


竹内栖鳳『南支風光』 1938年

1864年に京都に生まれた竹内栖鳳は、先人たちの日本画の技に西洋の技法などを取り入れた自らの芸術を確立すると、京都画壇を代表する画家として活躍しました。

その竹内栖鳳と弟子たちに着目したのが『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』で、栖鳳をはじめ、上村松園、西村五雲、また小野竹喬、土田麦僊といった後進の画家とともに、戦後の小野竹喬、福田平八郎らの作品が展示されていました。


竹内栖鳳『水風清』 1935年頃

まず冒頭に並ぶのが栖鳳の作品で、若き栖鳳の描いた『秋夕図』や、群青や緑青を用いて波の打ち寄せる浜辺を描いた『春の海』、それに鶺鴒が可愛らしい姿を見せる『水風清』などに目が止まりました。


竹内栖鳳『春郊方牛図』 1902年頃

一際目立つのは、春の野に放たれた牛たちをモチーフとした『春郊方牛図』で、右に手前を見やる大きな牛を表しつつ、左には牛が群れる光景を俯瞰するようにして描いていました。


上村松園『しぐれ』 1940年頃

こうした栖鳳に続くのが弟子たちの作品で、筆墨は栖鳳を凌ぐとも評価された西村五雲の『高原之鷲』をはじめ、凛とした佇まいが美しい上村松園の『しぐれ』、はたまた赤い鶏頭に蔓を伸ばして咲く朝顔を描いた土田麦僊の『鶏頭花』などが印象に残りました。


土田麦僊『ヴェトイユ風景』 1922年

この土田麦僊が西洋絵画の流れを日本画の世界に取り込もうとしたのが『ヴェトイユ風景』で、単純化した家並みなどを岩絵具を用いつつ色鮮やかに描いていました。


『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』展示作品

戦後に活動した小野竹喬、福田平八郎、池田遙邨らの作品にも優品が目立っていたかもしれません。


池田遙邨『旭譜』 1982年

電線に止まる鳥たち朝日に浮かぶ様子を描き、それを五線譜に見立てたという池田遙邨の『旭譜』にも心惹かれました。


土田麦僊『鶏頭花』 1915年頃

展示替えの情報です。3月5日の休館日を挟み、一部の作品が入れ替わります。(本エントリは前期期間中の展示作品です。)

『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』作品リスト(PDF)
前期:1月18日(木)~3月4日(月)
後期:3月6日(水)~4月7日(日)
*作品点数:前期32/後期35/通期31


なお同館では先日、伊藤若冲が晩年に描いたとされる「果蔬図巻」が新たに発見されたことを発表し、美術ファンの中で注目を集めました。

「世界新発見の伊藤若冲の巻物『果蔬図巻(かそずかん)』が福田美術館のコレクションに加わり、同館で記者発表会を実施」福田美術館プレスリリース(PDF)

『果蔬図巻』は10月から開かれる展覧会にて公開されます。詳しくは上記リンク先リリースをご覧ください。


竹内栖鳳『海光清和』 1926年頃

4月7日まで開催されています。

『進撃の巨匠 竹内栖鳳と弟子たち』 福田美術館@ArtFukuda
会期:2024年1月18日(木)~4月7日(日)
 *前期:1月18日(木)~3月4日(月)、後期:3月6日(水)~4月7日(日)
休館:3月5日(火)
時間:10:00~17:00。最終入館は16時半まで。
料金:一般・大学生1500(1400)円、高校生900(800)円、小中学生500(400)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *嵯峨嵐山文華館両館共通券あり。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
交通:嵐電(京福電鉄)嵐山駅下車、徒歩4分。阪急嵐山線嵐山駅下車、徒歩11分。JR山陰本線(嵯峨野線)嵯峨嵐山駅下車、徒歩12分。
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