「始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語」 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリー
「始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語」
2012/10/1~2013/2/24



東京ステーションギャラリーで開催中の「始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語」へ行ってきました。

東京駅丸の内駅舎の復原工事により2006年から休館中だった東京ステーションギャラリー。長期に渡ってのクローズとなりましたが、昨年の工事終了により再オープン。スペースを完全に一新しての新たな美術館へと生まれ変わりました。


本城直季「small planet tokyo-station」2004年

そのお披露目第一弾となるのが「始発電車を待ちながら」。意外や意外、現代アートのグループ展です。9名のアーティストが「東京駅」あるいは「鉄道」に視点を据え、インスタレーションの他、様々な表現をもって展開。体感的に楽しめるような内容となっていました。

というわけでまずは掴み抜群のパラモデルから。展示室のホワイトキューブの床面から天井、さらに壁面の全てを駆使しての、実に大胆なインスタレーションが行われています。


パラモデル「パラモデリック・グラフィティ」2011年

これが画像では何ともお伝えしにくいのですが、ともかく青いプラレールが空間を縦横無尽、雪山を縫って進み海岸線へと到達。増殖に反復、そして接続、全体として巨大なモミュメントのような空間が実現。見ているだけでワクワクさせられるような作品です。

さてそのようなワクワクな高揚感、さらにより高めてくれるのがクワクボリョウタのインスタレーション。いわゆる影絵の作品ですが、これが大変に感動ものです。


クワクボリョウタ「10番目の感傷(点・線・面)」2006年

これもまたテキストにすると分かりにくいかもしれませんが、小さな模型の鉄道が暗室を走り、そのヘッドランプで照らされた部品が驚くべき風景を映し出すというもの。

The Tenth Sentiment / 10番目の感傷(点・線・面)


実にシンプルな仕掛けながらも、幻想的でかつスピーディーに、またゆったり移りゆく影絵の美しさと言ったら比類がありません。これ一点でも来た甲斐があったというものでした。

さて東京駅の駅舎、また周辺の都市風景に着目したのは柴川敏之。様々なモノを絵画の手法を用いて化石へ。それを駅舎の煉瓦と呼応させる形で展示しています。


ヤマガミユキヒロ「Sheltering Sky」2011年

またヤマガミユキヒロも東京駅がテーマ。まず構内の風景を描き、そこに同じ場所で撮影した動画を投射。絵画と映像の双方から東京駅に新たなイリュージョンを現出させます。


廣瀬通孝「Sharelog」2006年

写真、映像、インスタレーション。多様なジャンルを東京駅や鉄道のテーマの元に集約。テーマ性と作品自体の双方で味わえる展示です。思いの外に楽しめました。

ステーションギャラリー、壁面の煉瓦を除いては、かつての面影はありませんが、今後の展開にも注目したいと思います。

【展覧会スケジュール】
「始発電車を待ちながら」       2012/10/1~2013/2/24
「木村荘八展(仮)」         2013/3/23~5/19
「エミール・クラウスと印象派展(仮)」2013/6/8~7/15


なおオープン当初は入場のために整理券が必要でしたが、現在は不要です。館内も特に混雑することなく、比較的静かな環境で見ることが出来ました。

東京ステーションギャラリー「始発電車を待ちながら」


2月24日まで開催されています。

「始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語」 東京ステーションギャラリー
会期:2012年10月1日(月)~2013年2月24日(日)
休館:月曜日。但し12/24、1/14、2/11を除く。(翌火曜日は休館。)年末年始(12/29~1/1)。
料金:一般500円、中学生以下無料。
 *20名以上の団体は100円引。
時間:平日11:00~20:00、土・日・祝10:00~18:00
住所:千代田区丸の内1-9-1
交通:JR線東京駅丸の内北口改札前。(東京駅丸の内駅舎内)
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