都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「Future Feature vol.4 - 第三者 - 小林香織/平川なつみ」 山本現代
山本現代(港区白金3-1-15 3階)
「YAMAMOTO GENDAI Future Feature vol.4 - 第三者 - 小林香織/平川なつみ」
5/10-6/7
ともに本格的な個展は初めてという「新人画家」二名を紹介します。小林香織と平川なつみの二人展へ行ってきました。
新人とは言え、驚くほど見応えのある作品が展示されているのも山本現代ならではのことかもしれません。特に今年、大学を卒業したばかりだという小林香織の連作には目を奪われるものがありました。シュルレアリスムを思わせるような男女の断片的な物語が、一枚一枚、心にどことない不安感を呼び覚ましながらズシリと心に重く響いてきます。白にグレーが混じり、全体にややセピア色がかったような刹那的な色彩感はもちろん、丁寧に塗り込まれたマチエールもなかなか魅力的です。このカップルを装いながら、赤の他人であるかのようによそよそしい男女の関係は如何なるものなのでしょうか。二人は終始、無限の地平線の広がるテラスや階段から、まるで病室のベットなどの空間をすれ違いながら行き来しています。その合間に吹く寒々しいすきま風は、もしかすると彼ら彼女らが「私」と「あなた」の関係にもない傍観者、つまりは「第三者」自身であるからなのかもしれません。
もう一方、ポップな色遣いにてアニメーション風の絵画を描く平川なつみも印象に残りました。同画廊の言う「今考えられる最も興味深い力を持った新人画家」も、あながち誇張された表現ではなさそうです。
6月7日まで開催されています。おすすめします。
「YAMAMOTO GENDAI Future Feature vol.4 - 第三者 - 小林香織/平川なつみ」
5/10-6/7
ともに本格的な個展は初めてという「新人画家」二名を紹介します。小林香織と平川なつみの二人展へ行ってきました。
新人とは言え、驚くほど見応えのある作品が展示されているのも山本現代ならではのことかもしれません。特に今年、大学を卒業したばかりだという小林香織の連作には目を奪われるものがありました。シュルレアリスムを思わせるような男女の断片的な物語が、一枚一枚、心にどことない不安感を呼び覚ましながらズシリと心に重く響いてきます。白にグレーが混じり、全体にややセピア色がかったような刹那的な色彩感はもちろん、丁寧に塗り込まれたマチエールもなかなか魅力的です。このカップルを装いながら、赤の他人であるかのようによそよそしい男女の関係は如何なるものなのでしょうか。二人は終始、無限の地平線の広がるテラスや階段から、まるで病室のベットなどの空間をすれ違いながら行き来しています。その合間に吹く寒々しいすきま風は、もしかすると彼ら彼女らが「私」と「あなた」の関係にもない傍観者、つまりは「第三者」自身であるからなのかもしれません。
もう一方、ポップな色遣いにてアニメーション風の絵画を描く平川なつみも印象に残りました。同画廊の言う「今考えられる最も興味深い力を持った新人画家」も、あながち誇張された表現ではなさそうです。
6月7日まで開催されています。おすすめします。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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どなたか記事で取り上げないかなあと、待ち構えていました。
あの海なんだか芝なんだかわからないバックのパターンが、シュールでしたね。
互いに触れることを恐れているような、男女の硬い表情に萌えます。
山本現代は最近行くようになったのですが、いい作家さんに出会えてうれしいギャラリーです。
小林さん、見事でしたよね。実は大して下調べもせずに出向いたのですが、まだ大学を卒業されたばかりという若い方と知ってびっくりしました。売れていたのにも納得です。
>男女の硬い表情に萌えます。
ここがまたポイントですよね。
無表情ながらも、どこか尖っている雰囲気がまた良いなと思いました。
現代、本当に毎度の展示が見逃せません!
ふだん、絵画を見てて基本的に好き嫌いが先にたつのに今回はどうしちゃったんだろう。我ながら、変な感じです。
二人の「役割」、たしかに意味深なものがありますよね。
両者とも傍観者(?)でしょうか。
微妙な距離感がその希薄な関係を示しているようにも思えました。