都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ジョアン・ミロ展」 大丸ミュージアム・東京
大丸ミュージアム・東京(千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階)
「ジョアン・ミロ展」
3/5-22

バルセロナのミロ財団コレクションを概観(約70点)します。東京大丸で開催中の「ジョアン・ミロ展」へ行ってきました。

ミロというと、時にいかにも抽象然とした難解な印象も拭えませんが、この展覧会では絵画上に登場するシンボルをいくつかのキーワードで分類した上にて、各々のイメージを解く構成がとらえています。一見、単なる円に見えるモチーフが太陽に、また小さなハシゴが天国へと登るための道具だと知ると、ミロの表現の方向がより分かりやすく開けてくるのではないでしょうか。もちろん自由な想像力を駆使して見るのも鑑賞の一つあり方ですが、逆に言葉から入って楽しむのも悪くありませんでした。

『瞑想』(チラシより引用)と言うよりも、意思や詩情が奔放にうごめくミロ絵画はどれを見ても心に迫るものがありますが、今回とりわけ気になったのは月と女性をテーマにした二枚、「夜景の人々と鳥たち」と「月の前の女」でした。宇宙の象徴でもあるという月と太陽を画中に頻出させるミロは、例えば後者においても不気味なほど黒い月を配していますが、狂気を呼び込むそれは白く描かれた女性を激しく抑圧していました。打ちのめされた頭部より落ちる涙は、同じく黒く輝く星たちから滴り落ちる絵具とも重なます。そこには揺れ動く感情の悲しみがもたらされていました。

絵画他、ブロンズのオブジェなどもいくつか紹介されています。またミロが、男性と女性をそれぞれ数字の何で表したのかというような謎解き的要素も盛りだくさんでした。
図録が弱かったのだけは残念でした。22日、日曜日まで開催されています。
*東京展終了後、大丸ミュージアムKOBEへ巡回。(3/25~4/6)
「ジョアン・ミロ展」
3/5-22

バルセロナのミロ財団コレクションを概観(約70点)します。東京大丸で開催中の「ジョアン・ミロ展」へ行ってきました。

ミロというと、時にいかにも抽象然とした難解な印象も拭えませんが、この展覧会では絵画上に登場するシンボルをいくつかのキーワードで分類した上にて、各々のイメージを解く構成がとらえています。一見、単なる円に見えるモチーフが太陽に、また小さなハシゴが天国へと登るための道具だと知ると、ミロの表現の方向がより分かりやすく開けてくるのではないでしょうか。もちろん自由な想像力を駆使して見るのも鑑賞の一つあり方ですが、逆に言葉から入って楽しむのも悪くありませんでした。

『瞑想』(チラシより引用)と言うよりも、意思や詩情が奔放にうごめくミロ絵画はどれを見ても心に迫るものがありますが、今回とりわけ気になったのは月と女性をテーマにした二枚、「夜景の人々と鳥たち」と「月の前の女」でした。宇宙の象徴でもあるという月と太陽を画中に頻出させるミロは、例えば後者においても不気味なほど黒い月を配していますが、狂気を呼び込むそれは白く描かれた女性を激しく抑圧していました。打ちのめされた頭部より落ちる涙は、同じく黒く輝く星たちから滴り落ちる絵具とも重なます。そこには揺れ動く感情の悲しみがもたらされていました。

絵画他、ブロンズのオブジェなどもいくつか紹介されています。またミロが、男性と女性をそれぞれ数字の何で表したのかというような謎解き的要素も盛りだくさんでした。
図録が弱かったのだけは残念でした。22日、日曜日まで開催されています。
*東京展終了後、大丸ミュージアムKOBEへ巡回。(3/25~4/6)
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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天体・地球から男女や鳥まで…ミロの眼はいつも、自然を見つめていたのでしょうか。
男性・女性を表わす数字は面白かったですね。
>ミロの眼はいつも、自然を見つめていた
色々な景色が形になって表れていましたよね。
古代の自然崇拝などにも近いのかなと思いました。
>多様な価値観とともに表現された芸術作品は大好き
同感です。
作品に触れて世界が広がる経験もまた新鮮ですね。