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サントリー美術館にて『没後190年 木米』が開かれています

江戸時代後期の京都の文人、木米は、作陶に打ち込みつつ、山水画も手がけ、多くの文人らと交流するなどして活動しました。



その木米の業績と足跡を紹介する『没後190年 木米』の見どころについて、WEBメディアのイロハニアートに寄稿しました。

木米が切り開いた新たな美の世界とは? | イロハニアート

まず展示では木米のやきものを紹介していて、中国や朝鮮、それに日本の古陶磁に着想を得ながら、かたちや文様の一部を抜き出しては再構成するユニークでかつ魅惑的な造形を見ることができました。



こうした木米の作陶のうち、特に才能を発揮したのが、当時流行していたという煎茶の器で、釜の湯を沸かすための風炉では、茶を主題とした中国の詩を側面から背面に彫り、あたかも版本のように見せていました。まさに書物好きの木米ならではの作品といえるかもしれません。

木米が山水画を手がけたのは、画家の田能村竹田らと交流した50歳代の後半のことでした。その多くは為書、つまり誰かのために描かれた私信のようなもので、一連の作品からは木米の幅広い文人ネットワークを知ることができました。

「これまでに集めた各地の陶土をこね合わせ、その中に私の亡骸を入れて窯で焼き、山中に埋めて欲しい。長い年月の後、私を理解してくれる者が、それを掘り起こしてくれるのを待つ。」とした木米の大胆な遺言も興味深いかもしれません。


現代における木米の再評価の1つのきっかけになり得るような回顧展だったのではないでしょうか。作品は質量ともに大変充実していました。

会期中、書画を中心に展示替えがあります。詳しくは出品リストをご覧ください。

『没後190年 木米』出品作品リスト(PDF)

巡回はありません。3月26日まで開催されています。

『没後190年 木米』 サントリー美術館@sun_SMA
会期:2023年2月8日(水)~3月26日(日)
休館:火曜日。*3月21日は18時まで開館
時間:10:00~18:00(金・土は20時まで)
 *2月22日(水)、3月20日(月)は20時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1500円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。
場所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分
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