都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「日常/オフレコ」 KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場
「日常/オフレコ」
1/11-1/30

KAAT神奈川芸術劇場で開催中の「日常/オフレコ」を見て来ました。
横浜発、現代美術作家の制作を紹介する「日常」展シリーズ。過去にも主催の神奈川県民ホールを舞台にして2度ほど開催。その他にも泉太郎やさわひらきの個展も企画。充実した展示を見せてきました。
今回は会場を県民ホールからKATT神奈川芸術劇場へと移しています。以下の5名の作家による展示が行われていました。
[出品作家]
青田真也、安藤由佳子、梶岡俊幸、佐藤雅晴、八木良太
さて撮影が可能でした。写真メインで恐縮ですが、会場の様子を簡単にご紹介します。

安藤由佳子「KAATへの手紙」2013年 インスタレーション
まずはエントランス部分から。思いの外に広々としたスペース、会場へと至る大きな階段が目に飛び込んできますが、ここで展開されているのが安藤由佳子のインスタレーション。散らばるのは無数の封筒です。いずれも宛名は「日常/オフレコ」でした。

佐藤雅晴「ダテマキ」2013年 ヴィデオインスタレーション
少し先を進みます。チケットブースを過ぎてメインのフロアへと連なる通路へ。佐藤雅晴です。先だってのαMにも出品していた「ダテマキ」シリーズ。伊達巻きの製造工程をモチーフとしたアニメーション映像。東日本大震災で被災したいわき市の蒲鉾工場に取材した作品です。それがすっぽりと通路の窓に収まっています。

安藤由佳子「#29(ユニット29)」2013年 インスタレーション
ドアをくぐって劇場内へ入りましょう。会場は中スタジオ。間仕切りのないワンフロアです。暗室に浮かぶ作品群。まず圧巻なのは天井部、先にも触れた安藤の「#29(ユニット29)」と名付けられた作品です。ドアに次ぐドア。一体、何面あるのでしょうか。ともかく一面のドアが天井から吊り下がっています。
そのドアをしばらく眺めていると何やらハンドルが動く。実はドアは自動での開閉式。先のエントランスに散った封筒はこのドアから撒かれたということなのでしょうか。スタジオという場所だからこそ可能とも言えるダイナミックな吊り下げ式のインスタレーション。楽しめました。

梶岡敏幸「夜居」2013年 日本画インスタレーション
さて同じく吊られているのが梶岡敏幸の「夜居」です。一瞬、モノリスでも連想させるような強い存在感。近づくと細かな銀色の描線が揺らいでいることが分かります。これは墨線の他、いわゆる日本画の描法を取り入れているのだそうです。モノクロームに染まったボックス。重量感を思わせますが、素材は軽やかな和紙です。仄かな光の瞬き。表情は豊かでした。

八木良太「ヴィデオ・スフィア」他 2013年 サウンドインスタレーション
八木良太の展示が充実していたのではないでしょうか。磁気テープを巻いた球体状の作品。テーブの再生機にのせて映像や音声に変換。ノイズが会場に響き渡ります。

八木良太「メガフォニア」2013年 写真
また八木はこの他にもバックヤードでプリントの連作も展開。実は本展、スタジオだけではなく、控え室やシャワールームなどでも展示が行われています。

安藤由佳子「notice」2013年 インスタレーション
メイク室では安藤由佳子の日めくりカレンダーが散っている。勿論、リストには作品の設置場所が記載されていますが、時にバックヤードに廻ってそれを探すような楽しみ方も出来るかもしれません。

青田真也「無題(Untitled)」2013年 インスタレーション
青田真也には驚きました。ライトアップされてぽつんと置かれた一台のピアノ。よくよく目を凝らすと全て木が露出している。何とこれ、作家が全て実際のピアノをやすりがけして提示したものとか。モノの内側を露にしていく。凄まじい労力、ある意味での執念です。

佐藤雅晴「雪やコーヒー」2012年 ヴィデオインスタレーション
私としてはαMで惹かれた佐藤の「ダテマキ」以外の作品を見られたのも収穫でした。

「日常/オフレコ」展示室風景
かつての県民ホールの展示から見るとスケールとして及ばない面もあるかもしれません。(ホール改修工事のため、芸術劇場へ移ったそうです。)また次回以降の展開にも期待したいです。

「日常/オフレコ」イベント情報
アート・コンプレックス2014「つむぎねパフォーマンス」
会期中トークの他、パフォーマンスイベントも行われます。

KAAT神奈川芸術劇場全景
チラシを持参すると100円引きになるそうです。1月30日まで開催されています。
「日常/オフレコ」 KAAT神奈川芸術劇場(@kanaken_gallery)
会期:1月11日(土)~1月30日(木)
休館:会期中無休
時間:10:00~18:00 *入場は閉場の30分前まで。
料金:一般600円、学生・65歳以上500円、高校生以下無料。
住所:横浜市中区山下町281
交通:みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約5分。JR線関内、石川町両駅より徒歩約15分。
「日常/オフレコ」
1/11-1/30

KAAT神奈川芸術劇場で開催中の「日常/オフレコ」を見て来ました。
横浜発、現代美術作家の制作を紹介する「日常」展シリーズ。過去にも主催の神奈川県民ホールを舞台にして2度ほど開催。その他にも泉太郎やさわひらきの個展も企画。充実した展示を見せてきました。
今回は会場を県民ホールからKATT神奈川芸術劇場へと移しています。以下の5名の作家による展示が行われていました。
[出品作家]
青田真也、安藤由佳子、梶岡俊幸、佐藤雅晴、八木良太
さて撮影が可能でした。写真メインで恐縮ですが、会場の様子を簡単にご紹介します。

安藤由佳子「KAATへの手紙」2013年 インスタレーション
まずはエントランス部分から。思いの外に広々としたスペース、会場へと至る大きな階段が目に飛び込んできますが、ここで展開されているのが安藤由佳子のインスタレーション。散らばるのは無数の封筒です。いずれも宛名は「日常/オフレコ」でした。

佐藤雅晴「ダテマキ」2013年 ヴィデオインスタレーション
少し先を進みます。チケットブースを過ぎてメインのフロアへと連なる通路へ。佐藤雅晴です。先だってのαMにも出品していた「ダテマキ」シリーズ。伊達巻きの製造工程をモチーフとしたアニメーション映像。東日本大震災で被災したいわき市の蒲鉾工場に取材した作品です。それがすっぽりと通路の窓に収まっています。

安藤由佳子「#29(ユニット29)」2013年 インスタレーション
ドアをくぐって劇場内へ入りましょう。会場は中スタジオ。間仕切りのないワンフロアです。暗室に浮かぶ作品群。まず圧巻なのは天井部、先にも触れた安藤の「#29(ユニット29)」と名付けられた作品です。ドアに次ぐドア。一体、何面あるのでしょうか。ともかく一面のドアが天井から吊り下がっています。
そのドアをしばらく眺めていると何やらハンドルが動く。実はドアは自動での開閉式。先のエントランスに散った封筒はこのドアから撒かれたということなのでしょうか。スタジオという場所だからこそ可能とも言えるダイナミックな吊り下げ式のインスタレーション。楽しめました。

梶岡敏幸「夜居」2013年 日本画インスタレーション
さて同じく吊られているのが梶岡敏幸の「夜居」です。一瞬、モノリスでも連想させるような強い存在感。近づくと細かな銀色の描線が揺らいでいることが分かります。これは墨線の他、いわゆる日本画の描法を取り入れているのだそうです。モノクロームに染まったボックス。重量感を思わせますが、素材は軽やかな和紙です。仄かな光の瞬き。表情は豊かでした。

八木良太「ヴィデオ・スフィア」他 2013年 サウンドインスタレーション
八木良太の展示が充実していたのではないでしょうか。磁気テープを巻いた球体状の作品。テーブの再生機にのせて映像や音声に変換。ノイズが会場に響き渡ります。

八木良太「メガフォニア」2013年 写真
また八木はこの他にもバックヤードでプリントの連作も展開。実は本展、スタジオだけではなく、控え室やシャワールームなどでも展示が行われています。

安藤由佳子「notice」2013年 インスタレーション
メイク室では安藤由佳子の日めくりカレンダーが散っている。勿論、リストには作品の設置場所が記載されていますが、時にバックヤードに廻ってそれを探すような楽しみ方も出来るかもしれません。

青田真也「無題(Untitled)」2013年 インスタレーション
青田真也には驚きました。ライトアップされてぽつんと置かれた一台のピアノ。よくよく目を凝らすと全て木が露出している。何とこれ、作家が全て実際のピアノをやすりがけして提示したものとか。モノの内側を露にしていく。凄まじい労力、ある意味での執念です。

佐藤雅晴「雪やコーヒー」2012年 ヴィデオインスタレーション
私としてはαMで惹かれた佐藤の「ダテマキ」以外の作品を見られたのも収穫でした。

「日常/オフレコ」展示室風景
かつての県民ホールの展示から見るとスケールとして及ばない面もあるかもしれません。(ホール改修工事のため、芸術劇場へ移ったそうです。)また次回以降の展開にも期待したいです。

「日常/オフレコ」イベント情報
アート・コンプレックス2014「つむぎねパフォーマンス」
会期中トークの他、パフォーマンスイベントも行われます。

KAAT神奈川芸術劇場全景
チラシを持参すると100円引きになるそうです。1月30日まで開催されています。
「日常/オフレコ」 KAAT神奈川芸術劇場(@kanaken_gallery)
会期:1月11日(土)~1月30日(木)
休館:会期中無休
時間:10:00~18:00 *入場は閉場の30分前まで。
料金:一般600円、学生・65歳以上500円、高校生以下無料。
住所:横浜市中区山下町281
交通:みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約5分。JR線関内、石川町両駅より徒歩約15分。
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