「須田悦弘公開制作」 千葉市美術館

千葉市美術館
「須田悦弘 公開制作」
11/11 10:00~17:00



千葉市美術館で行われた「須田悦弘 公開制作」を見てきました。

同館で開催中の須田悦弘さんの個展、11月11日は唯一の公開制作日。実際に須田さんが朝の10時から作品を制作し、完成後に会場内へ設置を行うという企画です。

実は先週も展示を見たばかりですが、須田さんの制作のお姿を間近で見られるという滅多にないチャンス。というわけで、早速出かけてきました。


「須田悦弘公開制作」会場風景

美術館へ到着したのは15時頃。公開制作の会場は展示室内ではなく、11階のホール。制作台の周りには20名ほどの観客が。近づくと須田さんがノミを手にしながら木片と向き合っていました。

作品は事前のアナウンスにもあったように「雑草」、既に須田さんが300種類も作られたというお馴染みのものです。


ノミを片手に「雑草」を制作中の須田さん。

制作中は集中を邪魔しては申し訳ないと思い、お声がけすることはもちろん、写真を撮るのも控えるつもりでしたが、須田さんの方から笑顔で「あまりじっと見られるのも怖いから、色々質問して下さいね。(笑)」との優しい言葉が。大変に気さくな方です。


制作中に質問に答える須田さん。

というわけで、時折、観客とお話しながら、和やかな雰囲気で制作が進んでいきました。


制作台(休憩中に撮影)

ちなみに「雑草」シリーズ、これまでに何度か本物の雑草だと勘違いされ、展覧会などで撤去されたこともあるそうです。


使用されていたノミや筆など。

具体的には横浜美術館や山梨県立美術館では摘まれ、さらにモスクワで展示をした時は、オープン前、清掃の方にモップで壊されてしまったとか。また直島では、いわゆる偉い方が「あんなところに雑草が!管理がなってない!」と怒ったというエピソードも残っているそうです。


制作台の上にあった雑草の写真。制作中、何度か参照されていました。

素材にあたる木は朴、ほおのきです。非常に柔らかい性質を持つため、加工がし易いとのこと。よって須田さんは殆どの作品でこの朴を使用しています。


制作途中の「雑草」

私も実際に触らせていただきましたが、確かに軽く、それでいて滑らか。また少し温かみのあるような気もしました。

さて一度、展示を拝見し、終了予定の17時頃に再び公開制作へ戻ると、ちょうど最後の仕上げ、着彩の工程に。


着彩の工程を終えた須田さん。

完成して10分ほど乾かし、いざギャラリーを引き連れて会場へ。無事、某所に設置され、一連の公開制作は終わりました。

その様子も写真に撮りましたが、ネタバレです。まだの方はご覧にならない方が賢明です。

「須田悦弘公開制作」作品設置シーン(写真1写真2) 注意*ネタバレあり! 

差し支えなければ、展示へ行かれた方のみ、上記リンクをご参照下さい。


「泰山水:花」1999年 木に彩色 千葉市美術館

ところで須田さんの制作を前にすると、それこそ指先が木片にくっ付いているではないかと思うほど、素材と一体化。またノミもぐっと身体に引き寄せています。「雑草」という小さな作品ながらも、まさに全身で作り上げているような印象を受けました。

展覧会の感想はまた別途まとめたいと思います。

「須田悦弘展」 千葉市美術館
会期:10月30日(火)~ 12月16日(日)
休館:11月5日(月)、12月3日(月)
時間:10:00~18:00。金・土曜日は20時まで開館。
料金:一般1000(800)円、大学生700(560)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:千葉市中央区中央3-10-8
交通:千葉都市モノレールよしかわ公園駅下車徒歩5分。京成千葉中央駅東口より徒歩約10分。JR千葉駅東口より徒歩約15分。JR千葉駅東口より京成バス(バスのりば7)より大学病院行または南矢作行にて「中央3丁目」下車徒歩2分。
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