『AC部 異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8

クリエイションギャラリーG8
『AC部 異和感ナイズ展』
2022/2/22~3/30



クリエイションギャラリーG8で開催中の『AC部 異和感ナイズ展』を見てきました。

1999年に結成されたクリエイティブチームのAC部は、長く映像制作を手がけ、TV番組やアニメ映画、またWeb上などにてさまざまな作品を発表してきました。

そのAC部が20年にわたって追い求めてきた「違和感」をテーマとしたのが『AC部 異和感ナイズ展』と題した展示で、会場には過去の制作からペインティング、映像、また参加型のインスタレーションなどの作品が公開されていました。



まず最初の部屋では過去の制作プロセスが紹介されていて、1999年から2018年頃へと至るAC部のアイデアや方法論の変遷を伺うことができました。



また「関節ジオメトリックス技法」や「素材スターシステム」などと付けられた各手法のの資料には、映像のイメージとともにQRコードが掲載されていて、スマホに取り込んではyoutubeの動画を閲覧することも可能でした。



こうした作品とともに展示されていたのが、一枚のキャンバス、また絵筆や絵具、さらにモニターなどからなる『価値観査定機 Secondary’s』でした。



これは来場者が絵筆をとり、好きな色をつけてはキャンバスへと書き込むことのできる参加型のインスタレーションで、モニターには独自のアルゴリズムによって美的価値が査定された「絵画」の金額が表示されていました。



そしてキャンバスへと線を加えたり、モチーフを加えると金額が上下していて、常に価値が変動していきました。また必ずしも価格が上がるだけでなく、下がる場合があるというのも面白いのかもしれません。



私が出向いた際は会期早々だったため、余白も多く残っていましたが、現在は色やモチーフがキャンバスを埋めているとのことです。会期終了までに一体、絵の価値はどのように変わっていくのでしょうか。



2つ目の展示室では、AC部が『価値観査定機 Secondary’s』を用いて制作したというペインティングが何点か並んでいて、カフェや飲食店のカウンター、またビーチ横と思しく空間を走る車や盆栽などのモチーフが色彩豊かに描かれていました。



ただしいずれのペインティングとも具象的でありながら、色の面や線が分離、つまり複数のレイヤー状に分かれているように表現されていて、三次元的な空間が築かれていました。



その奥の展示室では、一連のペインティング作品をアニメーション化した映像が投影されていて、軽快なBGMとともにイメージが3D状に回転するようにして展開していました。まさにペインティングの視点が空間全体へと拡張していて、あたかも絵と映像が入れ子構造のように入れ替わっているようでした。


違和感を追い続ける「AC部」とは? シュールで遊び心に満ちた『異和感ナイズ展』が楽しい!|Pen Online

なおタイトルが「違和感」ではなく「異和感」としているのも興味深いかもしれません。さまざまなズレが生み出す不思議な違和感が楽しく感じられる展覧会でした。



予約は不要です。3月30日まで開催されています。*写真はいずれも『AC部 異和感ナイズ展』展示作品。撮影も可能です。

『AC部 異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8@g8gallery
会期:2022年2月22日(火)~3月30日(水)
休館:日・祝日。 
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
交通:JR線新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩3分。
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