『Nakayama AIR Exhibition 〜此岸に浮かぶ筏〜』 中山法華経寺

中山法華経寺
『Nakayama AIR Exhibition 〜此岸に浮かぶ筏〜』 
2022/3/12〜3/27



千葉県市川市中山エリアを舞台とするアーティスト・イン・レジデンスプログラムの成果発表として、中山法華経寺にて『Nakayama AIR Exhibition 〜此岸に浮かぶ筏〜』が開かれています。



ここではレジデンスに参加した大槌秀樹と川田龍、およびワークショップを展開した大川友希をはじめ、東弘一郎、大塚理司、原倫太郎の計6名のアーティストが、境内と堂内の数カ所にて作品を公開していました。



京成中山駅より緩やかな坂を上がり、立派な山門を抜けると出迎えてくれるのが、大川友希による『記憶の道』と題したのぼりのインスタレーションでした。



いずれも地域の市民から譲り受けた古着を用い、ワークショップにて制作された布のパーツを大川が繋げたもので、模様も色もさまざまな古着の端切れが参道を彩っていました。



それらは抽象的パターンを伴いつつ、中にはキャラクターがプリントされた布もあって、一つとして同じかたちのものはありませんでした。一連のパーツは大川自身が市内の幼稚園などへ出向いて作られ、2月からは市内のスタジオにてのぼり制作のワークショップも行われました。



参道に続いて改修工事中の祖師堂を前に展開していたのが、東弘一郎の『自連車』と題したオブジェと川田龍の宗教祭壇画を題材とした作品でした。



そのうちの『自連車』とは、自転車を用いた体験型の可動式の彫刻作品で、先頭のペダルを回すと後ろに連なるタイヤも連動する仕組みとなっていました。いずれの自転車も地域の人々より提供を受けたもので、ちょうど私が出向いた際も、子どもたちが入れ替わり立ち替わりペダルを回そうとチャレンジしていました。



また同じく境内では大塚理司が、藁で編んだ祈りを主題とした『祈りの形象』とした彫刻を展示していて、あたかも以前からこの地に建てられていたような遺物のような佇まいを見せていました。



ラストの2名の作品は境内奥の通常非公開の堂内にて展示されていて、原倫太郎は暗がりの空間の中で『法華経寺のための空間ドローイング」と題した大掛かりな作品を見せていました。



ここでは畳と襖に囲まれた広間の中、お堂や建物を象ったような構造物に光る糸が張り巡らされていて、糸は絶え間なく動いていました。



この他、法華経寺の勤行の様子に取材した大槌秀樹の『神々と共に/祈りの灯』を目立っていたのではないでしょうか。同寺では毎年冬、全国から約100名の僧侶が集い、100日間も厳しい修行が続く日蓮宗大荒行堂で知られていますが、まさに法華経寺の歴史や活動を踏まえた作品と言えるかもしれません。



日蓮宗の大本山の中山法華経寺は、重要文化財の五重塔や法華堂などからなる広い境内を有していて、国宝の『立正安国論』などを納めた伊東忠太設計による聖教殿といったユニークな建物も存在しています。



今月末頃には境内の桜も見ごろを迎えそうですが、お寺への拝観を兼ねて出かけるのも良さそうです。


観覧は無料です。3月27日まで開催されています。*屋内展示の入場時間は15時45分まで。

『Nakayama AIR Exhibition 〜此岸に浮かぶ筏〜』@NakayamaAIR) 中山法華経寺
会期:2022年3月12日(土)〜3月27日(日)
休館:会期中無休。
時間:9:30~15:45 
 ※屋内展示入場時間
料金:無料
住所:千葉県市川市中山2-10-1
交通:京成本線京成中山駅より徒歩5分。JR線下総中山駅より徒歩10分。
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