「モードとインテリアの20世紀」 パナソニック汐留ミュージアム

パナソニック汐留ミュージアム
「モードとインテリアの20世紀ーポワレからシャネル、サンローランまで」
9/17~11/23



パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「モードとインテリアの20世紀」を見てきました。

ファッションデザイナーの森英恵が石見地域の出身という縁もあり、同地の島根県立石見美術館には多くのファッションの資料が収められているそうです。

20世紀における西欧のファッション史をインテリアを交えて俯瞰しています。出品は130点。ほぼ全てが島根県立石見美術館のコレクションでした。

重厚なドレスを纏っていた19世紀末の女性たち。20世紀に入ると生活スタイルの変化から、より機能的な衣服が求められるようになります。身体の自然なラインを意識させるのも特徴です。マリアノ・フォルチュニイの「プリーツ・ドレス『デルフォス』」が美しい。真紅に染まるドレス。造りはゆったりしています。素材はサテンです。おそらくは肌触りも心地良いことでしょう。僅かな揺らぎも身体に馴染むための工夫なのかもしれません。

一部展示室の撮影が可能でした。


「フェミナ」1932年2月号 ほか

マリア・リカルツのバックも可愛らしい。ビーズ製です。何もファッションはドレスだけではありません。ほかブローチ、ネックレス、靴などの装身具も充実しています。また当時の「レ・モード」や「フェミナ」などのファッション誌などの資料も目を引きました。


ジョージ・ホイニンゲン=ヒューネ「ヴィオネ」 1939年 ほか

1920年代に入ると装飾的なドレスにコートを羽織るスタイルが流行します。さらに1930年代は細身のロングドレスが人気を集めました。トレンドは目まぐるしく変化していたようです。


マドレーヌ・ヴィオネ「イブニング・ドレス、ストール」 1938年

マドレーヌ・ヴィオネの「イブニング・ドレス、ストール」はどうでしょうか。金のモールはブドウの房を表現しているのかもしれません。気品があります。また隣のピンク色のドレスの紋様はウサギでした。何やら賑やかです。動物のモチーフも巧みに取り込んでいます。


スザンヌ・タルボット「イブニング・コート」 1925年頃

スザンヌ・タルボットの「イブニング・コート」が豪華でした。地は黒。そこに金糸でヤシの葉や小花を刺繍しています。袖と衿は毛皮です。こうした黒と金の配色、ないし植物のモチーフは、アール・デコのスタイルを踏襲しているそうです。東洋などへの異国趣味もファッションに影響を与えました。


「テニス・ウェア」 1926年頃 ほか

機能性に関してはテニスウェアが挙げられるかもしれません。19世紀末の女性は何とコルセットをしてテニスをしていました。さぞかし窮屈なことだったでしょう。1919年、ウィンブルドンに出場したスザンヌ・ランランはゆったりとした綿のワンピースを着用。見事に優勝を果たします。それを機に一般の女性用のウェアも変化しました。

さらに時代を進めて第二次世界大戦後です。戦時下で休業していたメゾンも復活。ディオール、バレンシアガなどが市場を拡大します。その後、1960年頃になるとオートクチュールにもミニスカートが登場。元はロンドンの若者の間で流行していたそうです。ハイ・ファッションも大衆文化の動向を無視することは出来ません。さらに素材も多様化。ビニール、金属、紙などを用いたドレスも登場しました。

「モードとインテリアの20世紀展/美術出版社」

60年代は近未来を志向したデザインが多いのも特徴です。飛行機や宇宙開発にも目が向けられた時代。SF的とも言えるかもしれません。洗練されながらも、実用的なファッションが生み出されます。


「海水浴用シューズ」 1920年頃

インテリアもファッションに華を添えていました。いつもながらに展示の美しい汐留ミュージアムのことです。会場演出には抜かりありません。


「アールデコ草花文ブロンズマウント付クリスタライズドグレイス台の電気スタンド」 1925年

11月23日まで開催されています。

「モードとインテリアの20世紀ーポワレからシャネル、サンローランまで」 パナソニック汐留ミュージアム
会期:9月17日(土)~11月23日(水・祝)
休館:毎週水曜日。但し11月23日は開館。
時間:10:00~18:00 *入場は17時半まで。
料金:一般1000円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料。
 *65歳以上900円、20名以上の団体は各100円引。
 *ホームページ割引あり
住所:港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
交通:JR線新橋駅銀座口より徒歩5分、東京メトロ銀座線新橋駅2番出口より徒歩3分、都営浅草線新橋駅改札より徒歩3分、都営大江戸線汐留駅3・4番出口より徒歩1分。
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