山種美術館にて『日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―』が開かれています

四季折々、豊かな自然に囲まれた日本では、古くから人々が自然を題材にした絵を描いてきました。


米谷清和『暮れてゆく街』 昭和60年 *会期中も撮影OK

その「日本の風景」をテーマとしたのが『日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―』で、展示の内容についてイロハニアートへ寄稿しました。

山種美術館のコレクションで愛でる日本の風景『日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―』が開催中 | イロハニアート

まず今回の展覧会では、江戸時代の酒井抱一や椿椿山をはじめ、明治から大正時代の川端玉章や山元春挙、それに石田武や田渕俊夫いった現代へと至る幅広い作品が紹介されていて、時代によってさまざまに描かれた風景の諸相を見ることができました。

また同館の定評のある日本画だけでなく、安井曽太郎や黒田清輝などの洋画も一部に展示されていて、山種コレクションの意外な一面を知ることもできました。

山元春挙の『火口の水』とは、三日月のもと、溶岩の岩肌が露出した雪山を描いたもので、火口湖や溶岩のすがたを実に写実的に表していました。山元は写真に関心を抱いた画家で、実際に登山して撮影し、それを元にして絵画を描きました。



最大の見どころは、近年展示されてこなかった作品が多数お披露目されていることで、山本梅逸の『蓬莱山図』や関出の『廃園濃紫』などは17年ぶり、また安井曽太郎の『初秋遠山』に至っては37年ぶりに公開されました。

また作品が発表されて以降、初めて連作4点が展示された石田武の『四季奥入瀬』も、『春渓』と『瑠璃』が37年ぶりに公開されました。

米谷清和の『暮れてゆく街』とは、現在は営業を終えた東急百貨店東横店を正面に、渋谷の西口バスターミナルを舞台とした作品で、家路へと急いだり待ち合わせをする人々のすがたも描かれていました。


最後に学生の皆さんにお得な情報です。山種美術館では今回の展覧会に限り、「冬の学割」として大学生・高校生の観覧料が通常1000円のところ半額の500円となります。

2023年2月26日まで開催されています。*12/29(木)~1/2(月)は年末年始休館。

『日本の風景を描く―歌川広重から田渕俊夫まで―』 山種美術館@yamatanemuseum
会期:2022年12月10日(土)~2023年2月26日(日)
休館:月曜日。ただし1/9(月)は開館、1/10(火)は休館。12/29(木)~1/2(月)は年末年始休館。
時間:10:00~17:00
 *入館は16時半まで。
料金:一般1300円、中学生以下無料。
 *冬の学割:大学生・高校生500円(通常1000円のところ半額)
 *きもの割引:きもので来館すると一般200円引、大学生・高校生は100円引。
 *オンラインチケットあり。
住所:渋谷区広尾3-12-36
交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分。恵比寿駅前より都バス学06番「日赤医療センター前」行きに乗車、「広尾高校前」下車。渋谷駅東口より都バス学03番「日赤医療センター前」行きに乗車、「東4丁目」下車、徒歩2分。
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