「Something Sweet 4 Girls」  ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート

ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート中央区日本橋3-2-9 三晶ビルB1階)
「Something Sweet 4 Girls」
11/25-12/20



若手女性アーティスト4名が、「Sweet」をテーマにした多様な絵画で競います。ギャラリー・ショウのグループ展へ行ってきました。

紹介作家は以下の通りです。

東美貴子
クララ・デジレ
伊東明日香
大槻素子





一推しはリボンやドーナツを抑制された色遣いで表す、東美貴子のアクリル画です。チーズケーキの切れ端が二切れ、それ自体が控えめに灯っているかのような仄かな華やかさをたたえながら、黄色がかった白の美しい色彩感にてまとめあげられています。くるくると巻き上げられたリボンの先には、糸とも生地とおとれるような形の断片が美しい白にて朧げに示され、また円を描いて宙に浮かぶかのような抽象性をたたえたドーナツは、柔らかな肌色をまといながら、手に取ってくれる者を静かに待ち続けていました。大胆なタッチで示された絵具の透明感と、もう間もなく崩れ落ちるかのような事物の軽やかな存在感は、「Sweet」の優しさと、その反面でのどことない寂しさを表しています。一筋縄ではいきません。



その他では、「Sweet」の代表格とも言えるケーキを、沈み込むかのような暗がりの色調で描いた大槻素子も印象に残りました。定まらない、揺らぎのあるタッチで示されたホイップクリームやスポンジの上に、赤々としたイチゴが埋もれるようにして飾られています。白のクリームとは対比的なグレーの皿や背景、それに消え入りそうな煙の筋のように立つロウソクなどは、不思議にも何やら暗鬱です。切り取られたショートケーキが行き場所を失い、あたかもキャンバス上を浮遊しているかのようにも思えました。

口に含んだ「Sweet」の溶けだす、甘くて切ない一瞬が絵に閉じ込められています。今月20日までの開催です。
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