『第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』 川崎市岡本太郎美術館

川崎市岡本太郎美術館
『第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』
2024/2/17~4/14


村上力『學校』 特別賞

今年で27回目を迎える『岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』が、川崎市岡本太郎美術館にて開かれています。

今回は621点の応募のうち22組の作家が入選し、専門家諸氏の選考を受け、岡本太郎賞以下、岡本敏子賞、そして過去最多の10組の特別賞が決まりました。


つん『今日も「あなぐまち」で生きていく』 岡本太郎賞

まず岡本太郎賞を受賞したのは1981年生まれのつんで、ダンボールで作られた巨大な団地のような立体作品、『今日も「あなぐまち」で生きていく』を展示していました。


つん『今日も「あなぐまち」で生きていく』 岡本太郎賞

ここでは団地の下の各部屋に付属された名簿を手に取ることができて、もうふやにくまん、それにプリンターなどと名付けられた、さながら住人と思しきキャラクターたちの紡ぐ物語を読むことができました。


三角瞳『This is a life. This is our life.』 岡本敏子賞

続く岡本敏子賞を受賞したのは1988年生まれの三角瞳で、ポリエステルの薄く白い布に人の顔を刺繍した『This is a life. This is our life.』を公開していました。


三角瞳『This is a life. This is our life.』 岡本敏子賞

4平方メートル四方に連なる布には、男女を問わずにさまざまな表情をした千人以上もの人の顔が象られていて、赤い糸で表現された遺伝子に束ねられた存在である人間と、そこから抗えない生命の設計図を示していました。


フロリアン・ガデン『Anomalies-poétiques/詩的異常』 特別賞

空間を大胆に用いた大掛かりなインスタレーションが目立つ中、日常に潜む異世界などを幻視的に表現したフロリアン・ガデンの『詩的異常』も魅惑的だったのではないでしょうか。


フロリアン・ガデン『Anomalies-poétiques/詩的異常』 特別賞

一見何気ない都市や郊外の風景を描きつつ、そこへ現実には存在し得ない巨大な昆虫やカエル、それにかっぱなどを描きこんでいて、中には駅のホームで待つ人々が皆、植木鉢を持っているシュールな光景なども表されていました。


野村絵梨『垢も身のうち』

また同じく日常を舞台にした作品といえば、野村絵梨の『垢も身のうち』も印象に深かったかもしれません。


野村絵梨『垢も身のうち』

ここでは作家本人が暮らす部屋をモデルに、3DCGで人形遊びのおもちゃのようなかたちにデフォルメし、そのデザインをもとにスタイロフォームで彫刻として表現していて、家具や洋服といった造形そのものにも魅力を感じました。


クレメンタイン・ナット『POT-PLANTS』 特別賞

なお会期中、3月17日までは「お気に入りを選ぼう!」と題し、お気に入りの作品を投票するコーナーが設置されています。投票の結果は3月22日(予定)に同館のWEBサイト上にて発表されるそうです。


会場内の撮影も可能です。4月14日まで開かれています。

『第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』 川崎市岡本太郎美術館@taromuseum
会期:2024年2月17日(土)~4月14日(日)
休館:月曜日。3月21日(木)。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般700(560)円、大・高生・65歳以上500(400)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *常設展も観覧可。
住所:川崎市多摩区枡形7-1-5
交通:小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩約20分。向ヶ丘遊園駅南口ターミナルより「溝口駅南口行」バス(5番のりば・溝19系統)で「生田緑地入口」で下車。徒歩5分。
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