「中西夏之展」(DIC川村記念美術館)開催情報

現在、「コレクションViewpoint」を開催中のDIC川村記念美術館ですが、次回は「日本の現代美術においても重要な存在」(同館WEBサイトより転載)である画家、中西夏之(1935~)の個展が行われます。先日、リリースをいただいたので、こちらに情報をまとめてみました。


「擦れ違い/S字型還元」 2012年 油彩、カンヴァス 個人蔵

「中西夏之展」 DIC川村記念美術館
会期:2012年10月13日(土)~2013年1月14日(月・祝)
休館:月曜日(但し12/24、1/14は開館。)、年末年始(12/25~1/1)
時間:9:30~17:00 *入館は16時半まで。
料金:一般1200円(1000円)、学生・65歳以上1000円(800円)、小・中・高生500円(400円)。*( )は20名以上の団体料金。
住所:千葉県佐倉市坂戸631
交通:京成線京成佐倉駅、JR線佐倉駅下車。それぞれ南口より無料送迎バスにて30分と20分。東京駅八重洲北口より高速バス「マイタウン・ダイレクトバス佐倉ICルート」にて約1時間。(一日一往復)

中西夏之は1950年代より主に平面をベースに表現活動を行っていますが、展示でもその絵画の変遷に着目し、以下の3つの時期の作品を踏まえながら、時間軸に沿って画業を紹介するものになるそうです。

「韻」シリーズ(1959-60)
「洗濯バサミは攪拌行動を主張する」(1963/1993)
「擦れ違い/遠のく紫 近づく白斑」連作(2010-12)



「韻」1959年 ペイント・エナメル・砂、合板 東京都現代美術館

[展覧会概要](プレスリリースより転載)

1959年から60年にかけて制作された《韻》シリーズは、砂を混ぜた塗料による画面をスプレーガンと筆で二重に描かれたT字型が膜面のように覆う作品です。1963年に読売アンデパンダン展に出品され た《洗濯バサミは攪拌行動を主張する》は、キャンバスから出た紙ひもに無数のアルミ製の洗濯バサミがつけられ、それぞれが光をはらんで筆触による頂点を想起させます(出品作は1993年制作)。また最新作《擦れ違い/遠のく紫 近づく白斑》連作は、相異なる方向へ向かう人が接近しすれ違う、その瞬間に薄膜の平面が認識できないだろうかという考えから絵画の垂直面が問い直されており、紫と白の色班が絵画自体の生成や時間の集積を我々に知覚させます。これらの作品は、制作時期は異なりますが、「光」「時間」「反復」「拡散」といった絵画への問いにおける重要な要素を示しています。 本展では、各々の作品が他の作品と共振する、光あふれる「場」において、新たな時間性による絵画体験を提示いたします。

続いて関連のイベントです。講演会は2本だて、また学芸員によるギャラリートークなども開催されます。

[講演会]
演目:「中西夏之の初期と現在の絵画を中心に―その共通性と特異な絵画志向―」
日時:11月17日(土) 14:00~16:00
講師:谷新氏 (美術評論家/宇都宮美術館館長)

演目:「未定」
日時:12月8日(土) 14:00~16:00
講師:林道郎氏 (美術史家/上智大学教授)

*受付はそれぞれ当日12:00から館内で整理券を配布(先着60名)。入館料のみ。

[学芸員によるギャラリー・トーク]
日時:10月20日(土)、11月3日(土)、1月12 日(土) 14:00~15:00
*本展担当学芸員が展覧会を解説。 予約不要/エントランスホール集合

[ガイドツアー]
日時:講演会、トーク開催日を除く毎日 14:00~15:00
*ガイドスタッフがコレクション展示と展覧会を案内。予約不要/エントランスホール集合

[音声ガイド]
1台500円。 当館収蔵品と展覧会の解説。


「洗濯バサミは攪拌行動を主張する」1963/93年 カンヴァス、紐、洗濯バサミ 個人蔵

また嬉しいのは近い会期で行われる千葉市美術館の須田悦弘展との連動企画があること。入館料の相互割引の他、毎回重宝する無料シャトルバスも運行されます。

[千葉市美術館「須田悦弘展」(10/30-12/16)との連携]
チケット半券(有料券)を提示すると入場料を割引。
千葉市美術館:一般1000円→700円、大学生700円→490円
DIC川村記念美術館:一般1200円→1000円、学生・65歳以上 1000円→800円

[DIC川村記念美術館~千葉市美術館無料シャトルバス]
運行日:11/3(土)~12/16(日)までの毎週土・日曜日。
時刻表:千葉市美術館発12:00/14:00 → DIC川村記念美術館着、DIC川村記念美術館発13:00/15:00→千葉市美術館着

バスの所要時間が記されていませんが、かつてシャトルバスに乗った経験からすると、おおよそ30~40分で到着するのではないでしょうか。実は両館、電車を利用するとかなり時間がかかりますが、車であれば意外とスムーズ、思われているほど遠くありません。

ファンの多い須田さんの展示にも注目が集まりそうなだけに、この無料バスを利用してさらに川村へ足を伸ばされる方も多そうです。


2009年SCAIでの個展時のDM

私自身、中西の作品は横浜トリエンナーレの他、何年か前のSCAIでの個展など、断片的にしか追っかけられていません。こうした形式での一大個展、ここは大いに期待したいと思います。

なおリリース内容は変更される場合もあります。最新の情報については同館のWEBサイトをご参照下さい。
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