国立新美術館にて『ルーヴル美術館展 愛を描く』が開かれています

フランス・パリのルーヴル美術館のコレクションより「愛」をテーマとした作品を紹介する展覧会が、国立新美術館にて開かれています。


フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』、または『アモルの最初のキスを受けるプシュケ』 1798年

その『ルーヴル美術館展 愛を描く』の見どころについて、イロハニアートへ寄稿しました。

『ルーヴル美術館展 愛を描く』をより楽しむ!見どころレポート | イロハニアート

まず今回の展覧会では「愛」の概念をいくつかのかたちに分けて紹介していて、まず最初の第1章「愛の神のもとに」ではギリシア・ローマ神話における愛を描いた作品を展示していました。

これに続くのが第2章「キリスト教の神のもとに」で、古代神話の愛とは対照的に、子が親を敬う愛の孝心といった、愛する者のために自分を犠牲にする愛の諸相を表した作品が並んでいました。お馴染みの「聖母子」や「聖家族」などのモチーフも目立っていたかもしれません。

18世紀フランス絵画の至宝、ジャン=オノレ・フラゴナールの『かんぬき』が26年ぶりの来日を果たしました。ここでは暗い寝室の中、男性が部屋のかんぬきをかけつつ、女性を抱き寄せるようなすがたを見せていて、一方の女性は男性から目を逸らしつつ、困惑とも陶酔とも受け止められるような複雑な表情をしていました。

いわゆる愛の戯れを表しつつ、道徳的警告が込められているともされていて、エロティシズムと緊張感が同時に示されたような画面に大きく引き込まれました。また見方によれば女性が男性の顔を払い除けようとしつつ、かんぬきを開けて外に出ようとしているようにも思えるかもしれません。


クロード=マリー・デュビュッフ『アポロンとキュパリッソス』 1821年

ラストの第4章「19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」では、ロマン主義の画家の作品が並んでいて、悲劇の愛がドラマティックに表されるようすを見ることができました。*第4章のみ会期中も撮影可。本エントリの写真も第4章における展示作品。


ウジェーヌ・ドラクロワ『アビドスの花嫁』 1852〜1853年頃

混雑緩和のため事前予約制(日時指定券)が導入されました。会期中、当日券も発売されますが、各枠入場時間の予定枚数に達し次第、販売が終了となります。


6月12日まで開催されています。なお東京での会期を終えると、京都市京セラ美術館へと巡回します。*会期:2023年6月27日(火)~9月24日(日)

『ルーヴル美術館展 愛を描く』@love_louvre2023) 国立新美術館@NACT_PR
会期:2023年3月1日(水) ~6月12日(月)
休館:火曜日。ただし3月21日(火・祝)・5月2日(火)は開館し、3月22日(水)は休館。
時間:10:00~18:00
 *毎週金・土曜日は20:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1400円。高校生1000円。中学生以下無料。
 *事前予約制(日時指定券)を導入。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )