都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「藤森照信とモザイクタイルミュージアム」 多治見市モザイクタイルミュージアム
多治見市モザイクタイルミュージアム
「開館5周年企画展 藤森照信とモザイクタイルミュージアム」
2021/11/20〜2022/1/10

2016年に岐阜県多治見市にオープンしたモザイクタイルミュージアムは、藤森照信のデザインによるユニークな建物でも知られ、全国各地から多くの人々の注目を集めてきました。

上:「ロゴマークサインのタイル」 (株)エクシィズ 2021年
その開館5周年を期して行われているのが「藤森照信とモザイクタイルミュージアム」で、模型や写真、またスケッチなどから藤森が建物をテザインしたプロセスを紹介していました。

藤森照信スケッチ(紙) 2012年 茅野市美術館
まず目を引くのが美術館の平面と建物を描いた紙のスケッチで、藤森が多治見市へ最初に提出した建築図案でした。当時、受け取った市役所の担当者は一般的な設計図との違いに驚いたとされていますが、確かに小山のような外観はスケッチからしても極めて独創的に思えました。
そして同じく藤森が構想を練ったスケッチの複製もあわせて多く展示されていて、藤森がどのような意図を込めて建物をイメージしたのを追うことができました。中にはカフェの紙ナプキンにメモを記したものもあって、それこそ場所を問わずにアイデアを膨らませていたのかもしれません。

外壁の構造(工程順) 樹脂 (株)吉川組 2021年
建物の構造を知る上で面白いのは、外壁の構造を下地から完成段階までの工程を再現した資料でした。下地の上に貼られたタイルのかけらから樹脂によって表面が整えられ、さらに土を塗っていて、独特の感触を見せる外壁がいかに作られたのかを辿ることができました。

モザイクタイルミュージアム屋根のタイル 國代耐火工業所 2015年
また地元の工場にて生産され、スロープを描く建物の側面に使用されている屋根タイルからは、土の質感を残したような温かみのある風合いが感じられました。

タイルのスダレ試作再現 (株)吉川組 2021年
同館の4階に築かれた「タイル・ガーデン」こと「タイルのすだれ」に関する資料も面白いかもしれません。ここではワイヤーにタイルを固定したすだれの試作や外形の模型が展示されていて、緩やかなカーブを描いて空へと広がるようなかたちをした「タイル・ガーデン」の構造が分かりました。

「タイル・ガーデン」 *モザイクタイルミュージアム4階
なお「タイル・ガーデン」の部分は屋根もなく、雨も差し込むために、耐久性や安全性についても確認がなされたそうです。タイルは基本的に水を弾くゆえになしえた作品といえるかもしれません。

外壁タイルの準備 展示風景
外壁のタイルについては地元の有志の方々が、素材を提供したり、タイルをハンマーで割る作業にも携わったそうです。それらの作業についてもタイルと写真にて紹介されていました。

下:「鯉タオル」 笠原・原田製陶所 1963年頃
昭和30年代に作られたという鯉のかたちをしたタイルも可愛らしいのではないでしょうか。また今回の企画展のために藤森が制作した建物の模型も、モザイクタイルミュージアムのミステリアスな外観を木から巧みに切り出していました。

モザイクタイルミュージアム模型
WEBメディア「イロハニアート」へ、モザイクミュージアム全体の見どころやアクセス情報などをまとめました。あわせてご覧いただければ嬉しいです。
メルヘンの世界からやって来た?ユニークな建物も楽しい「多治見市モザイクタイルミュージアム」の魅力(イロハニアート)

「藤森照信とモザイクタイルミュージアム」展示風景
一部を除いて撮影も可能でした。なお土日祝日は事前の予約が必要です。

多治見市モザイクタイルミュージアム外観
2022年1月10日まで開催されています。
「開館5周年企画展 藤森照信とモザイクタイルミュージアム」 多治見市モザイクタイルミュージアム
会期:2021年11月20日(土)〜2022年1月10日(日)
休館:月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
時間:9:00〜17:00
*入場は閉館の30分前まで
料金:一般310円、団体(20名以上)250円。
*土日祝日は事前予約制。
住所:岐阜県多治見市笠原町2082-5
交通:JR線多治見駅南口から「多治見駅前」2番バスのりばより東鉄バス笠原線「東草口行き」または「羽根行き」に乗車、「モザイクタイルミュージアム」下車。(駅からの所要時間:約17分)
「開館5周年企画展 藤森照信とモザイクタイルミュージアム」
2021/11/20〜2022/1/10

2016年に岐阜県多治見市にオープンしたモザイクタイルミュージアムは、藤森照信のデザインによるユニークな建物でも知られ、全国各地から多くの人々の注目を集めてきました。

上:「ロゴマークサインのタイル」 (株)エクシィズ 2021年
その開館5周年を期して行われているのが「藤森照信とモザイクタイルミュージアム」で、模型や写真、またスケッチなどから藤森が建物をテザインしたプロセスを紹介していました。

藤森照信スケッチ(紙) 2012年 茅野市美術館
まず目を引くのが美術館の平面と建物を描いた紙のスケッチで、藤森が多治見市へ最初に提出した建築図案でした。当時、受け取った市役所の担当者は一般的な設計図との違いに驚いたとされていますが、確かに小山のような外観はスケッチからしても極めて独創的に思えました。
そして同じく藤森が構想を練ったスケッチの複製もあわせて多く展示されていて、藤森がどのような意図を込めて建物をイメージしたのを追うことができました。中にはカフェの紙ナプキンにメモを記したものもあって、それこそ場所を問わずにアイデアを膨らませていたのかもしれません。

外壁の構造(工程順) 樹脂 (株)吉川組 2021年
建物の構造を知る上で面白いのは、外壁の構造を下地から完成段階までの工程を再現した資料でした。下地の上に貼られたタイルのかけらから樹脂によって表面が整えられ、さらに土を塗っていて、独特の感触を見せる外壁がいかに作られたのかを辿ることができました。

モザイクタイルミュージアム屋根のタイル 國代耐火工業所 2015年
また地元の工場にて生産され、スロープを描く建物の側面に使用されている屋根タイルからは、土の質感を残したような温かみのある風合いが感じられました。

タイルのスダレ試作再現 (株)吉川組 2021年
同館の4階に築かれた「タイル・ガーデン」こと「タイルのすだれ」に関する資料も面白いかもしれません。ここではワイヤーにタイルを固定したすだれの試作や外形の模型が展示されていて、緩やかなカーブを描いて空へと広がるようなかたちをした「タイル・ガーデン」の構造が分かりました。

「タイル・ガーデン」 *モザイクタイルミュージアム4階
なお「タイル・ガーデン」の部分は屋根もなく、雨も差し込むために、耐久性や安全性についても確認がなされたそうです。タイルは基本的に水を弾くゆえになしえた作品といえるかもしれません。

外壁タイルの準備 展示風景
外壁のタイルについては地元の有志の方々が、素材を提供したり、タイルをハンマーで割る作業にも携わったそうです。それらの作業についてもタイルと写真にて紹介されていました。

下:「鯉タオル」 笠原・原田製陶所 1963年頃
昭和30年代に作られたという鯉のかたちをしたタイルも可愛らしいのではないでしょうか。また今回の企画展のために藤森が制作した建物の模型も、モザイクタイルミュージアムのミステリアスな外観を木から巧みに切り出していました。

モザイクタイルミュージアム模型
WEBメディア「イロハニアート」へ、モザイクミュージアム全体の見どころやアクセス情報などをまとめました。あわせてご覧いただければ嬉しいです。
メルヘンの世界からやって来た?ユニークな建物も楽しい「多治見市モザイクタイルミュージアム」の魅力(イロハニアート)
岐阜県の南東部に位置し、1300年もの美濃焼の歴史を受け継ぐ多治見市。いまも窯元にて職人が器を作り続ける「焼きものまち」として知られ、岐阜県現代陶芸美術館や多治見市美濃焼ミュージアムといった文化施設も点在しています。#多治見市 #モザイクタイルミュージアムhttps://t.co/nlFLPMl2u7
— イロハニアート (@irohani_art) December 10, 2021

「藤森照信とモザイクタイルミュージアム」展示風景
一部を除いて撮影も可能でした。なお土日祝日は事前の予約が必要です。

多治見市モザイクタイルミュージアム外観
2022年1月10日まで開催されています。
「開館5周年企画展 藤森照信とモザイクタイルミュージアム」 多治見市モザイクタイルミュージアム
会期:2021年11月20日(土)〜2022年1月10日(日)
休館:月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
時間:9:00〜17:00
*入場は閉館の30分前まで
料金:一般310円、団体(20名以上)250円。
*土日祝日は事前予約制。
住所:岐阜県多治見市笠原町2082-5
交通:JR線多治見駅南口から「多治見駅前」2番バスのりばより東鉄バス笠原線「東草口行き」または「羽根行き」に乗車、「モザイクタイルミュージアム」下車。(駅からの所要時間:約17分)
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