「OKETA COLLECTION:4G」 スパイラルガーデン

スパイラルガーデン
「OKETA COLLECTION:4G」
2021/4/8~4/25



スパイラルガーデンで開催中の「OKETA COLLECTION:4G」を見てきました。

ファッションビジネスに携わり、アートコレクターとして知られる桶田俊⼆・聖⼦夫妻は、2019年以降、自らのコレクションを定期的に公開し、2020年には金沢21世紀美術館にて展覧会を開くなどして注目を集めました。

その桶田夫妻のコレクションを新たに紹介するのが「OKETA COLLECTION:4G」で、1960年から90年代生まれの4世代(4 Generations)の主に日本人アーティストの作品が展示されていました。


ロッカクアヤコ「Untitled」(2019年)

花畑のように広がる鮮やかな色彩の中に、瞳を開いた少女を描いたロッカクアヤコの「Untitled」に目がとまりました。雲に乗って浮遊するような少女の後ろには、謎めいた生き物が同じく空中に飛ぶ船で追っていて、互いに何やら牽制しあう仕草を見せていました。


五木田智央「Save the Last Dance for You」(2021年)

頭から角のようなものを生やした人物を表した五木田智央の「Save the Last Dance for You」も印象深かったかもしれません。顔に一切の表情は伺えず、頭から体にかけてはワイン色に染まっていて、背景の黄色と鮮やかなコントラストを描いていました。かつてはモノクロームのペインティングなどで知られ、昨年に国内で初めてカラーの絵画を発表した、五木田の新たな境地を伺えるような作品かもしれません。


山口歴「REVISUALIZE NO.29」(2020年)

ニューヨークを拠点に活動し、筆跡に着目して作品を制作するという山口歴の「REVISUALIZE NO.29」も魅惑的でした。ここでは絵具の筆跡がキャンバスの枠組みを超え、立体的な彫刻のように広がっていて、絵具の筆触が鋭いギザギザの牙を剥くように展開していました。


加藤泉 展示風景

ハイライトを飾っていたのは、吹き抜けのスペースを大胆に用いた加藤泉の展示ではないでしょうか。


加藤泉 展示風景

ちょうど空間の中央には、3体の子どものような彫刻が輪を描くように並んでいて、それらをキャンバスの絵画と革を用いた人型の作品が見守るように置かれていました。


加藤泉 展示風景

加藤の個展といえば、2019年に原美術館にて「LIKE A ROLLING SNOWBALL」が開かれましたが、それ以来とも言えるスケールだったかもしれません。3つの彫刻がまるで互いに助け合うかのように手を繋ごうとする様子も心に惹かれました。


平子雄一「Gift 08」(2021年)、「Yggdrasill 01」(2020年)

昨年の夏にもスパイラルにて「OKETA COLLECTION:A NEW DECADE」が行われましたが、今回出展された作品は桶田コレクションとしては殆ど初めてだそうです。


会場内の混雑緩和の観点からか、場内の順路は一方通行になっていました。受付から吹き抜けのスペースへ進み、一度スロープで2階へ上がってショップを経由し、階段を降りて入口方向へと戻るように設定されています。


TIDE「NIGHT」(2020年)

予約は不要、入場も無料です。撮影もできました。



会期中無休です。4月25日まで開催されています。*一番上の写真の作品は、松山智一「River to the Bank」(2020年)

「OKETA COLLECTION:4G」 スパイラルガーデン(@SPIRAL_jp)
会期:2021年4月8日(木)~4月25日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
料金:無料
住所:港区南青山5-6-23
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅B1出口すぐ。
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