「内海聖史 mimic paintings」 六本木ヒルズA/Dギャラリー

六本木ヒルズA/Dギャラリー
「内海聖史 mimic paintings」
2017/12/15~2018/1/14



六本木ヒルズA/Dギャラリーで開催中の「内海聖史 mimic paintings」を見てきました。

色彩豊かなドットを用い、キャンバス平面を超え、空間を活かした作品を制作する現代美術家の内海聖史。今回もギャラリー全体を絵画へ落とし込んだような展示を行っています。



思わずたじろぎました。目の前にはご覧のように、色のドットで埋め尽くされた絵画が、あたかもひな壇状に積み上がっています。一部は緩やかな曲線を描き、まるで大波を前にしたかのようでした。まさしく色の波、ドットの渦に飲み込まれてしまうかのような迫力さえあります。一つ一つの色の粒が互いにぶつかり合い、それこそ波の如くごうごうと音を立てているかのような錯覚にさえ陥りました。



なにせ大きな絵画のため、近づいて見ることはかないませんが、1つ1つの粒の色は美しく、ぶどうの房のように丸みを帯び、また時にきらきらと木漏れ日のような光を発しているかのようにも見えます。水色、青、ピンク、さらに群青から緑へと変化しながら、多様なグラデーションを描いていました。



一転して後ろを振り返ると、今度は4枚の小さな作品が並べられていることが分かりました。一つはおそらくキャンバスを重ねて出来た台形で、残りはその部分のみを切り取ったような同じく台形をしています。しばらく眺めていると小さな台形が舟であり、重ねた台形が山に見えました。一体、何を意図しているのでしょうか。

驚きました。空間全体を北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に見立てていたのです。つまりひな壇状の巨大な絵画をグレートウェーブに、そして向かい合う台形の絵画を、富士山と波間の小舟として表現したわけでした。

つまり見る側は、波の間に立って鑑賞していることになります。まさかこのようにして絵画に入り込む体験が出来るとは思いませんでした。



会場内の撮影が出来ましたが、手持ちのスマホでは限界がありました。写真の発色が実際の作品とは異なっています。繊細な色味をうまく捉えられませんでした。まずは会場で見られることをおすすめします。

六本木ヒルズA/Dギャラリーは、ヒルズ内のウェストウォーク3階、ミュージアムショップに併設したギャラリーです。展望台のエレベーターホールの出口正面、ショップ内の向かって右側にあります。


会期中のお休みはありません。2018年1月14日まで開催されています。

「内海聖史 mimic paintings」 六本木ヒルズA/Dギャラリー
会期:2017年12月15日(金)~2018年1月14日(日)
休館:無休。
時間:10:00~20:00
 *火曜日のみ17時閉館。
料金:無料。
住所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズウェストウォーク3階
交通:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩5分(コンコースにて直結)。都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩7分。
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