「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 
3/2~3/25



資生堂ギャラリーで開催中の「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」を見てきました。

1978年に香川で生まれ、独学で写真を学んだというGABOMI.。自らが考案したという「手レンズ」なる技法で資生堂の地下空間に眩いばかりの光を満たしています。

入口の正面、壁一面に広がるのが「Inland Sea 2015」です。ともかくはオレンジ、ないし薄い赤色がかった色彩が目に飛び込んできました。



中央上には黄色い斑紋。かなり強い光です。そして下へ光が反射するように連なっています。もはや神々しい。すぐさま太陽の光を連想しました。朝陽ないしは夕陽。黄色い光が全身を包み込みます。ここが地下だと忘れるほどに鮮やかでした。

種を明かせば朝焼け。瀬戸内海の船の上から撮影したそうです。そして撮影に際して用いられたのが先にも触れた「手レンズ」。何でも「身体の一部である手をカメラのボディと組み合わせ、手で光を調節」(*)しているそうです。レンズから「解放された」(*ともに解説シートより)世界。いわば光はダイレクトに身体へ差し込んでいます。



光や色に対してのGABOMI.の独特なセンス。その最たる例が「NOLENS」ではないでしょうか。NOとあるのはレンズ。つまりカメラからレンズを外しています。内部を開け放った状態で被写体をマクロで撮影。ゆえに対象は全て色のみに還元されました。



「Wall」と題された一連のシリーズに目がとまりました。ここで写されたのは確かに壁、ないし何か部品などを納めたスペースです。いずれも具象的なものばかり。トタンでしょうか。またたくさんの工具。おそらくは工業用のスチールなどもありました。薄汚れた場所です。工場かもしれません。ふとそこへ淡い色が介在していることに気がつきました。これもGABOMI.が見て捉えた色と光なのでしょうか。

「KOTODEN ことでん仏生山工場」@GABOMI.

作品の一部は出身地である香川の高松琴平電鉄こと「ことでん」の工場を写したものだそうです。撮影は約8ヶ月。2012年には写真集「ことでん仏生山工場」にまとめられました。

「ことでん 仏生山工場/GABOMI./赤々舎」

記録、広告写真から、「手レンズ」を通して、時にインスタレーション的な世界を見せるGABOMI.。デジタル加工を一切行わないのも特徴です。作家の幅広く貪欲な表現を見知ることが出来ました。



【第10回 shiseido art egg 展示スケジュール】
川久保ジョイ展 2月3日(水)~2月26日(金) 
GABOMI.展 3月2日(水)~3月25日(金)
七搦綾乃(ななからげあやの)展 3月30日(水)~4月22日(金)



3月25日まで開催されています。

「第10回 shiseido art egg GABOMI.展」 資生堂ギャラリー
会期:3月2日(水)~3月25日(金)
休廊:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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