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「池田学 原展」 河合塾美術研究所新宿校 Gallery Kart

河合塾美術研究所新宿校 Gallery Kart
「池田学 原展」 
7/7-8/3



河合塾美術研究所新宿校内「Gallery Kart」で開催中の「池田学 原展」を見てきました。

ペンと鉛筆による超細密画、時にシュールでSF的な幻想風景を作り出す画家、池田学。

東京芸大在学以前、同研究所の東京校(現新宿校)に通っていたそうです。ようは所縁の場所での凱旋個展ということでしょうか。初期作を中心とした展覧会が行なわれています。


「受験期のデッサン」1993年 紙に鉛筆

さてその初期、まだ画家としてのキャリアを積む前の作品から展示されている。例えば高校時代の恩師に宛てた年賀状です。

何と池田は十二支を十二師にかける。大胆にも干支の動物に恩師の似顔絵をはめ込んで描いています。


「高校の恩師に宛てた年賀状 十二支」1995~2006年 はがきにペン、インク

例えば未年では未年が恩師に化ける。また午年では恩師が馬に跨り甲冑姿で勇ましく駆けています。面白いアイデアです。そして絵としてもクオリティが高い。最近の細密画を思わせるような緻密な画面が広がっています。


「東京芸大合格再現作品」1994年 紙にアクリル絵具

受験時代のクロッキーや芸大合格再現作品も展示。まさに原点ならぬ原展です。私もこれまで何度か個展に通ったつもりでしたが、ここまで初期の作品を見たのは初めて。まずは驚きました。


「法廷画」1999年 朝日新聞掲載

さて他の作品はどうでしょうか。まず面白いのは画家がこれまで手がけてきた法廷画です。こちらは麻原裁判など数枚。また中国や東南アジアでの旅行絵日記なども目を引く。ここでは絵とともにテキストも実に細かく丁寧。画家の性格も伺えます。それに美術学校の講師時代に学生の前で描いたというデッサンも展示されていました。


「再生」2001年 紙にペン、インク 浜松市美術館

「どうぶつと動物園」シリーズは挿絵原画で20点ほどの出品です。そしてやはり目立つのはチラシ表紙に大きく掲げられた「再生」。軍艦をモチーフにした細密画、船を舞台に魑魅魍魎の世界が展開されています。

日本画家の中島千波の所蔵するモノクロームの「森」も面白い。会場は同研究所一階、受付ロビー横、10人も入れば行き来も難しくなるような小さな小さなスペースです。



損保ジャパン美術館からは歩いて数分ほど。西新宿へお出かけの際にでも立ち寄っては如何でしょうか。

「池田学画集/羽鳥書店」

会期中無休です。8月3日まで開催されています。

「池田学 原展」 河合塾美術研究所新宿校 Gallery Kart
会期:7月7日(月)~8月3日(日)
休廊:月曜日。
料金:無料。
時間:10:00~18:00。日・祝・最終日は16時まで。
住所:新宿区西新宿7-14-5 河合塾美術研究所1F
交通:都営大江戸線新宿西口駅D5出口より徒歩2分。西武新宿線西武新宿駅南口より徒歩3分。JR線・小田急線・京王線・東京メトロ丸ノ内線新宿駅西口より徒歩7分。
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