「川村麻純:Mirror Portraits」 LIXILギャラリー

LIXILギャラリー
「10daysセレクション 川村麻純:Mirror Portraits」
8/1-8/10



リクシルギャラリーで開催中の「10daysセレクション」、川村麻純個展「Mirror Portraits」へ行ってきました。

毎年1回、若い作家を公募形式で紹介する「10daysセレクション」。

既に13回を数えた定番のシリーズ展ですが、今年も以下の2名のアーティストが選定され、早速、8月1日より第1弾の展示が始まりました。

川村麻純「Mirror Portraits」 8月1日(水)~10日(金)
衣川泰典「僕達の記憶スクラップブックのような」 8月17日(金)~28日(火)

というわけでトップバッターは今年、藝大の大学院の先端研究科を修了したばかりの川村麻純。大きくは母と娘との関係をテーマに、写真と映像を交えてのインスタレーションを展開していました。

まず会場に入って目に飛び込んで来るのは写真、しかもおそらくはマンションか何かの一室を捉えた、しかもどことなく清潔感のある日常の景色です。

リビングやキッチンなどの空間はいずれも不在、ようは人がいませんが、そこには飲みかけのコップなども置かれ、生活の気配は微かに残っています。

僅か4枚、どれも小さな写真に過ぎませんが、続けて見て行くと、不思議と親密な誰かの日常を追体験しているような気分になりました。

さて暗幕越しの次の部屋、2面のスクリーンを用いた「Mirror Portraits」こそ、今回の核心です。

それぞれのスクリーンには世代の異なる女性が一人ずつ、互いに向き合いながら映し出されていますが、相互の関係は極めて曖昧、しかもセリフが流れることなく、ただ何かを語っているとしか分からないような様子をしています。

これは一体何なのかと手元に置かれたイヤホンで音声を聞いてみることにしました。

するとその曖昧な関係は、「母と娘」という軸によって繋がっていることが分かります。

しかしながらその両者の本来的な関係、つまり映っている二人の女性は本当の母と娘かについては、最終的に明かされることもありません。

どこかズレを伴いながらも、淡々と進む母と娘の具体的な語りからは、さらに広い一般的な母子の関係、そして社会的でかつ普遍的な女性の在り方を考えさせる面もあるのではないかと思いました。

初めにも書きましたが短期決戦、10日間の展示です。

8月10日まで開催されています。

「LIXILギャラリー公募展10daysセレクション 川村麻純:Mirror Portraits」 LIXILギャラリー
会期:8月1日(水)~10日(金)
休廊:日・祝
時間:10:00~18:00
住所:中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA2階
交通:東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅7番出口より徒歩3分、都営浅草線宝町駅より徒歩3分、JR線有楽町駅より徒歩7分。
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