「イェッペ・ハイン 『Inbetween』」 SCAI

SCAI THE BATHHOUSE台東区谷中6-1-23
「イェッペ・ハイン 『Inbetween』」
1/19-3/3

水を使ったインスタレーションが展開されています。デンマーク生まれのアーティスト、イェッペ・ハインの日本初個展です。



湾曲した2つの壁の間でゆるやかな曲線を描いていたのは、片側より一方向に飛び出した、ほぼ棒状の水の束でした。それが、まるで透明のプラスチック管の中を伝わっているかのように、殆ど揺らぐことなく、また力強く空間を遮っています。特に吹き出し口付近は、それが本当に水であるのかが分からないほど纏まって流れ出していました。その水のジェットをひたすら目で追うのはもちろんのこと、まさに水を鉄棒のように見立てて、下を潜って歩くのも可能です。水の手前と向こう側を行き来しながら、その場の面白さを楽しむような作品でした。(ただしその際、決して水に当たらないようにしなくてはなりません。非常にデリケートな作品とのことで、触れるだけで調子が悪くなってしまうのだそうです。)

ハインは、このような水や炎、それに煙などを利用して、見る者の動きや感覚に一種の制約や、意表を突くような驚きを与える制作を続けています。SCAIのHPでは彼の他の作品として、「噴水を迷路状に構成し、センサーで立ち入る人の動きを感知して水の壁を立ち上げ」るものや、「座ると煙がもくもくと立ちのぼり、座る人を包み込んでしまうベンチ」なども紹介されていました。そちらも是非体験してみたいものです。

ネオンのオブジェなども展示されています。思わぬほど逞しい水の力と、それによって生まれた歪んだ空間を感じ取れる展覧会でした。来月3日まで開催されています。(2/17鑑賞)
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