「今村哲 『アリの巣』」 ケンジタキギャラリー東京

ケンジタキギャラリー東京新宿区西新宿3-18-2-102
「今村哲 『アリの巣』」
2/1-3/9



全ての作品を楽しむためには、少々の根気が必要です。暗闇の迷路の中を、這いつくばるかのように作品を探します。今村哲の個展を拝見してきました。

タイトルにもある「アリの巣」とは、縦横5mを超える大きな迷路型立体作品のことでした。内部へは、人工芝のはられた上部入口より、梯子を下って潜り込みます。中は真っ暗闇の小迷路です。全部で4点あるという作品を探して、ひたすら迷いつつも腹這いになって彷徨い続けます。暗く、またこの狭い空間を、明かりなしにて歩き回るのは至難の業です。所々、壁や天井にぶつかりながら、角を曲がり、まさに一進一退の気持ちで作品を探します。ヒントは、小さな穴よりもれる明かりだけです。そこより覗くと、それぞれの作品が見つけられるという仕掛けでした。まさに巣を巡るアリになった心持ちでしょうか。これはなかなか大変です。(一応、奥の画廊受付にてペンライトを貸し出しています。)

この立体の他に展示されていた、数点の絵画はゆっくりと見ることが出来ました。どこかメルヘン調な物語絵巻が、白セメントやガッシュを用いた温かみのある質感にて描かれています。「アリの巣」の迷路で奮闘した身を癒すような、どこかほのぼのした風情の作品です。

テキストも数点並んでいます。「閉所恐怖症」で「体調の悪い方」にはご遠慮いただきたい展示(画廊より。)とのことです。3月9日まで開催されています。
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