東京シティフィル 第184回定期演奏会 「マーラー:交響曲第4番他」

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第184回定期演奏会

シューベルト 交響曲第3番
マーラー 交響曲第4番

指揮 飯守泰次郎
ソプラノ 天羽明恵
演奏 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2004/12/10 19:00 東京文化会館4階R2列

こんにちは。

昨日は、上野の文化会館で、久しぶりにシティフィルの定期公演を聴きました。

シューベルトの交響曲は、曲の構造を明快に提示するような、とても丁寧な演奏だったと思います。弦をキビキビと弾かせて、その上に柔らかい木管の響きをのせる。弦の各パート(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。)の響きの調節も丁寧でした。オーケストラも、飯守さんの指示に的確に応えていたのではないでしょうか。シューベルトの交響曲と言うと、どうも「未完成」とか「グレート」のような、ロマン的で長大な作品をイメージしがちですが、この第3番はモーツァルトを思わせるような古典的な作品です。もちろん、その中に、シューベルト独特の歌心があるわけですが、そうしたこの曲の持ついくつかの要素を、しっかりと表現できた演奏だったと思います。演奏後の聴衆の反応はいま一つでしたが、私はとても優れた演奏に聴こえました。素晴らしかったです。

メインのマーラーは、とてもエネルギッシュな演奏でした。とにかく、飯守さんもオーケストラも歌いに歌います。初めこそ、オーケストラが少しぎこちない感じでして、曲の進行が危ういような箇所もあったと思いましたが、いつの間にか飯守さんとオーケストラが一体になっていました。やはり第3楽章が一番美しかったでしょうか。天羽さんの歌声が入る第4楽章も、オーケストラと声楽のバランスがうまくとれていたと思います。ただ、全体的に、オーケストラの技量的な部分に若干の厳しさがあったことも付け加えたいです。弦は管に押されていきますし、ホルンも少々疲れ気味。シューベルトの演奏で感じられた余裕やゆとりは、マーラーではありませんでした。ちょっとキツキツです。

とは言え、シティフィルのマーラーチクルスは、今後ずっと聴いていきたいと思います。このオーケストラには、荒削りではありますが、飯守さんの情熱的なタクトのもと、ある一線を超える何かがあります。次は3月の第5番です。楽しみですね。

*今年のコンサートはこれで打ち止めです。あまり行かなかったかなあ・・・。
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