嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

白く濁った欲望の瞳で。

2006年07月04日 00時32分08秒 | 駄文(詩とは呼べない)
いくら目玉が付いていても
いくら瞳が白く濁ったとしても
全く見えないものが、ある。

例えば僕はあの日、君の声が景色の向こう側に見えたような気がした。
遠く霞んだ遙かな向こう側に、声が色を超えて、
超越的に、僕へ存在を語りかけたような気がしたからだ。

だけど僕は逃げた。
そして君は気付いた。
僕を追いかける事は、僕を失うことだと。
だから君は。
だからあの日君は、諦めという名の笑いの溜め息で
僕を誤魔化そうとしたんだ。

それは僕が君の側で吐いた僕だけの嘘で
僕が君の位置から、僕へ向けて奪った、
新しい喪失でもあった。

きっと君はこんなことを言っても信じないだろうけど
あるいは僕は、君にこんなことを言われても信じないだろうけど

あのひ僕は、
宇宙の向こう側に、誰かの声が、こちらへ向けて、
経っているような気がしたんだ。

誰かがそこに、経っている気がした。

そこで僕はへたり込んで
今の今日へと迷い込んだ。

ここは間違った時間だ。
だけどきっとあの日、
あそこで違う答えを選んだとしても、
やっぱり僕は間違った時間に迷い込んだろうと思う。

僕は君に会うずっと前から、
じつは既に死んでいたのだから。

だから僕は君が書いた手紙を読んで
哀しんだり、泣いたりなんてしなくていいんだ。
悲しい思い出は、全部その場所で僕が考えたストーリーでしかないんだ。
美しい思い出も、儚い記憶も、
全ては思い出すという名の嘘によって自分を騙す行為でしかない。
僕らは、今だけを生きている。
明日も昨日も、ずっとずっと遠くへ拡がる僕を騙し続ける嘘でしかない。
だから僕は、
明日が欲しいと、君に願ったんだ。

願うだけ願って 僕は君を選ばなかった。
それは残酷な形の喪失で、
逃げまどう今を騙し続ける僕の嘘で、
結局は自殺という謝罪によってしか、
僕は僕の罪をほろぼすことはないのだろう。

与えられた嘘が、
君の輝く明日になればいい。
今日僕が生きているという嘘が、
ずっと君を騙し続ければいい。

それだけで、君は寂しくなんかない。
どうせ僕が居ても居なくても、
僕は絶対に君のことなんか気付きはしないんだ。

もう、僕はそれほど明日を願わなくなった。
つまんない大人になるよりも、
タイムリミットの一粒が落ちるまで、
僕は君の時計を、壊し続ける。

ただ、それだけが、望まれない、契りであるかのように。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 (旅人)
2006-07-09 19:38:30
はじめまして。



嘘 つながりでTBさせていただきました。



まずはご挨拶まで。
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はいな。 (はにゃ)
2006-07-09 20:00:08
そちらの記事も読みましたよん。



てきとうによろしくっす。
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