嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

何かを捨てれば何かに捨てられる。

2007年06月24日 15時38分22秒 | 駄文(詩とは呼べない)
知り合いがmixiを退会した。
ちょっとショックだった。

僕が引き金を引いたであろうことは、すぐに思い当たったから。
相手が前向きな気持ちで退会したのか、
後ろ向きな気持ちで退会したのかまではわからない。

ただ、ある意味では僕が更新停止したことの反動のような気はした。
マイミクを切っておいたから、
直接的に更新を停止した事は伝わっていないだろうけど、
たぶん間接的にはなにがしかが伝わってるんだろう。

相手が管理するコミュニティにある
はにゃのコメントは大量に削除したし、
メッセージに長々と自分の気持ちを書いて送ったりもしたし。

というかそもそも、ネット上の知り合いに
自分の気持ちをたくさんの言葉にして伝える行為は
いつも複雑な誤解の中で読み解かれる。

いまだに僕は相手が自分にとってなんだったのかよくわからない。
とても安心する話し相手ではあったけれど。
たぶん、今までで二番目くらいに中心に近い本音を打ち明ける事ができた気がする。
成長から隔離された場所で育つ心は、
誰かにとって、透明な鏡になると思う。
もしも、本ばかりを読み続けて、
生まれてから一度も人と出会う事の無い人間が居るとしたら、
それはどんなに綺麗に鏡面を磨く経験を積む事よりも、
毒のある研磨にはなしえない、ひらぺったい他者の空間を作り出すと思う。
赤子の無垢さに似ている。
それは汚れた人間にとっては、暴力となりうる存在でもあるから。

鋼のように強い意志で泥を踏んできた存在よりは、
まったく汚されずに育った孤独の方を、僕は美しいと思うから、

だから僕は、結局のところ、
壊れそうなものにだけ、僕の情動を呼び起こすきっかけを求める。

僕を壊そうとするものは、同じ強さで壊れなければならない、
そういう思いこみがあるのかもしれない。

処女に触れる事を求める僕の業は、
見にくく汚れきった現実に、
僕の魂がすでに汚され始めている事を示唆するような気もするけれど

ある意味では、生まれ持った堅さが、
やわらかさと出会う事を求める行為にも似てる

『(純粋な悪意は、善意となりうるか?)』

という問いがたまに浮かんでくる。
探していたものと出会えない不在の感覚は、
存在を知らせてくれる壁そのものの、消失にる
自分の無さと近い残酷さをもっている。

時代と呼ばれるあやしげな概念が、
価値を喪失していく変化の一部しか指し示せないのとよく似ている。

子供は僕らに未来のありかを示すけど、
僕らには決してそのありかを見る事ができない。
そしてまた、何も見えなくなったとき、
大人は子供にとって景色の一部になる。
それは人から価値が喪失され、鏡にしかならないのと
あまりにも似ていて心が切ない。

自分と繋がった糸が解かれていくたび、
僕の存在に対する信用は喪失されていく。
誰にも何も通じなくなったとき、僕はこの世界に存在していなかった事が証明される。

人を殺してでも生きたいと願うエゴや衝動を、
その暴力の源泉を、
どこかしら僕はうらやましいと思っている。
嫉妬とは違う。僕には生まれつき無いものを、
他者である何かは持っているかもしれないという、
期待に満ちたまなざしをどうしても向けてしまう。

ただ、同時に僕はそれに汚される事を嫌う。
何かと交わる事は、それだけで僕の嫌悪感を引き出すのに十分な要素を持っていて
それがたぶん、僕から堅さを奪おうとする他者の欲に見えるから
僕は誰も信用しないんだと思う。

「僕は、その存在があやふやでありながらも、
 誰かから居場所を奪っているかもしれない。」

その事を思うと、残りの砂が落ちる音を聞きながらも、
僕の中でなにかがざらざらとした音を響かせはじめる。

「逃げる事は、罪をあがなう事にはならない」
そういう声に呼応しはじめる。

僕が生まれてから死ぬまでに
壊す事のできたものはなんだろう。

僕が生まれてから死ぬまでに
壊せなかったものはなんだろう。

僕が生きていたあの頃に
触れる事のできなかったものはなんだろう。

僕が死んでから今までに、
伝えられなかったものはなんだろう。

どこかしら、なにかが絶望的に抜けている
時間と同じくらい、重要な要素が欠落している。
そのことの不安が、だんだんと雲をなして僕を覆っていく。

気味の悪い向こう側からの圧力と、
僕を重ねて考える。

僕はそこに居ただろうか。
僕はいつも、ながれてくる向こう側に居ただろうか。
それとも。

いつもいつも沈められていく
誰かの中で忘れられていく
こちら側に、居ただろうか。

変な感覚だ。
誰かが誰かにとって、いつも記号でしかないという感覚は。