先日,ジュリスト1300号のパネルディスカッション「新会社法の企業実務にとっての意義」を読んで,西川元啓 新日本製鐵株式会社チーフリーガルカウンセルの次の発言が興味を引いた。以下,引用。
私から2点申し上げたいと思います。1点目はいろいろな機会に申し上げてきたことですが,この会社法により,経済界がいままで一貫して主張してきた経営の選択肢がさらに拡大されることになります。このことは逆に言うと,不作為の範囲が広がるということを意味します。野村さんも触れられたとおり,広範な自由を手にする経営者ということになるものですから,なぜこの選択をしなかったのかという経営者の不作為についての説明責任がますます重くなってくる。これをよく肝に銘じて経営をしていかなければならないということです(以下省略。太字は筆者によるもの)。
「不作為の範囲が広がる」はちょっと分かりにくい表現だが,喩えるなら,メニューが2つしか無い場合なら,「1つ選択」は「1つ不選択」を意味するに過ぎないが,会社法施行により,その不選択の数は5,10,20・・・と格段に増えることになる,ということなのだろう。くわえて,会社法では,メニューの増加にとどまらず,新設される制度というのも少なくない。
取締役・執行役等の経営者は,説明責任を全うするために,事前に顧問契約関係にある実務家にアドバイスを求めるであろう。当然のことながら,責任は連鎖する。実務家の方も,取締役の責任の問題,と高をくくってはいられなくなる。
会社法の施行を契機に,顧問契約の中身を見直しませんか,などという提案も出てくるかもしれない。会社サイドからだけでなく,実務家サイドからも,である。
私から2点申し上げたいと思います。1点目はいろいろな機会に申し上げてきたことですが,この会社法により,経済界がいままで一貫して主張してきた経営の選択肢がさらに拡大されることになります。このことは逆に言うと,不作為の範囲が広がるということを意味します。野村さんも触れられたとおり,広範な自由を手にする経営者ということになるものですから,なぜこの選択をしなかったのかという経営者の不作為についての説明責任がますます重くなってくる。これをよく肝に銘じて経営をしていかなければならないということです(以下省略。太字は筆者によるもの)。
「不作為の範囲が広がる」はちょっと分かりにくい表現だが,喩えるなら,メニューが2つしか無い場合なら,「1つ選択」は「1つ不選択」を意味するに過ぎないが,会社法施行により,その不選択の数は5,10,20・・・と格段に増えることになる,ということなのだろう。くわえて,会社法では,メニューの増加にとどまらず,新設される制度というのも少なくない。
取締役・執行役等の経営者は,説明責任を全うするために,事前に顧問契約関係にある実務家にアドバイスを求めるであろう。当然のことながら,責任は連鎖する。実務家の方も,取締役の責任の問題,と高をくくってはいられなくなる。
会社法の施行を契機に,顧問契約の中身を見直しませんか,などという提案も出てくるかもしれない。会社サイドからだけでなく,実務家サイドからも,である。