孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

うろたえるトヨタ

2018年10月14日 | 社会観察
小学生の頃、アメリカの戦争ドラマで「コンバット」は、絶大な人気があった。

学校の休み時間や掃除の時間などは、よく箒(ほうき)をマシンガンのように持って、ダ・ダ・ダ・ダ・ダァ-と撃つと、ドイツ兵の撃たれ方を上手にマネる友人が、身をのけぞらして倒れた。

サンダース軍曹になりきった私は、「よし!リトルジョン、援護しろ!」と言ってから、身をかがめて敵に向かう。

なぜか、ドイツ兵たちはわざと撃たれるように向かってくるので、アメリカ兵になった私たちは、彼らを皆殺しにするのだった。

今なら、こんな遊びをしたら、大問題になるだろうが、コンバットという番組では、ドイツ軍は徹底的に悪者であって、子供の私は当時そのことで完璧に洗脳されていたと思う。

仕事でドイツ人との会議通訳を頼まれた時も、正直言って、私の洗脳は解かれてないなあ、と感じて思わず苦笑してしまったことがある。

ドイツといえば、自動車産業が国家を牽引していると言っても過言ではないだろうが、そのドイツのフォルクス・ワーゲン(VW)の排ガス不正が発覚した時は、そのやり方の悪質さに、ドイツの本性を見た気がした。

  あのドイツ兵のイメージが・・

口では、やれ環境がすべった、温暖化が転んだとか声高に叫んだところで、彼らがやることはこんなもんだ、と呆れてしまった。

その悪質なだまし方というのは、VWの車に不正ソフトを搭載して、排ガス検査の時は、排ガス処理装置をフル稼働して、排ガスを基準値内に収め、それが終わって通常の走行になると、排ガス処理装置は稼動せず、基準値を無視した排ガスを垂れ流すのだ。

室内検査の走行パターンは、キチッと決められていて、不正ソフトはそれを判断して、排ガス処理装置を起動していたのだった。

なぜなら、排ガス処理装置が起動すると、ディーゼルエンジンはパワーが落ちて燃費が著しく悪くなるからだった。

VWはこの手口をアメリカやアジアだけで通していたのかと思ったら、とんでもない、自自国を含むEU内で販売した車にも適用していたというから、ワルにも程がある。

2年後の2017年に、ベンツも同様の不正ソフトを使って検査逃れをやっていたとバレて、ドイツ車のブランド価値は一気に傷ついたのだった。

 ベンツよ、お前もか

因みに、このVWの不正発覚に大きく貢献したのは、日本の堀場製作所製の簡易排ガス測定装置だった。なんと、基準値の35倍の測定値が一般走行パターンで測定された値であったという。

こういう恥さらしをしたダイムラー(ベンツ)が、ワイワイ騒いだ「クリーンデイーゼル」はすっきり忘れて、何事も無かったように、これからは「自動運転」だ、「電気自動車」だと主張し始めた。どの口が言うのだ?とツッコミたくなる。

キーワードの頭文字から、CASE(ケース)という造語を広めようとしている。

 よう言うわ、こいつら

C: CONNECTED (コネクティッド) 外部とインターネットで繋がる車
A: AUTOMONOUS (オートモナス)  自主的な=自動運転のこと
S: SHARED (シェアァド)    共有した
E: ELECTRIC (エレクトリック) 電気の=電気自動車

今や自動車業界で働く者で、この造語CASEを知らない人はいないだろう。

トヨタなどは、この造語に因んで、こんなん造りましたでぇ、と社長自らプレゼンしていた。それは、運転手など要らない、電気自動車で、多数のセンサーがインターネットで外部と繋がっている。

  お得意ポーズで

天井の高いワゴンタイプで、車内はテーブルや椅子をを備えた会議スペースだっり、移動図書館に改造したり、移動八百屋魚屋に改造したり、もちろん乗合タクシーにもなる、何でもタイプの車輌であった。

トヨタのホームページにその構想が出ていたが、わざわざその画像をここに貼るほどのものでもないだろう。

あともう少しすると、世の中は運転手がいない電気自動車がスイスイ行きかい、スマホでチャチャッと呼べば、無人のタクシーがスーッと依頼した時間にやってきて、行先を告げれば、最短距離を安全運転で運んでくれる。

無人の宅配便の車や郵便配達新聞配達の車が高速道路を整然と走っていて、貨物自動車は数台が連結されているように大都市間を24時間移動する。

そういう時代になるんです。あと数年で時代は大きく変るんです。もう車から排気ガスなど出ないんです。

ダイムラーの主張は、こんな感じだが、ちょっと前あんたがたはどういうことやってたのか、もうすっかり忘れてるみたいだね。

漫才なら、ツッコミ役が、手の甲で相方の胸を軽く小突いて。「もうええわっ」と言って終わりにするところじゃないですか?

日本一の自動車メーカーのトップが、ドイツ人の放言に慌てふためいているようで、私は、非常に不安になるのだが、残りわずかな人生。

心配するだけ、損だと思うようにしている。



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