孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

小さな車、大きな失望

2016年10月14日 | 社会観察
先日のトヨタ・スズキの提携検討の発表は、youtube で会見の様子をよくみると、極めて日本的な手順を踏んだ上でのものだったと分かり、興味深かった。

まず、スズキの鈴木修会長が、トヨタの豊田章一郎名誉会長に相談を持ちかけ、豊田名誉会長の「検討を進めるのはいいんじゃないか。」とお墨付きを得たうえで、その息子さんの豊田章男社長に話をもって行き、業務提携が有効だ、と両社の思惑が一致して、今回の発表につながったというものだった。

  倅(せがれ)に任せきれない苦悩

スズキは、長いこと鈴木修会長の独裁体制が続いてきたが、去年の春に、当時の田村副社長が会長に退任を迫るという、ちょっとしたクーデター劇があった。
鈴木俊宏副社長が社長兼COOに就任するトップ人事を急きょ決定した。
これに激怒した鈴木修会長は、田村氏を退任させ、その直後に倅(せがれ)の鈴木俊宏副社長を社長兼COOに就任させるトップ人事を急きょ決定したのだった。

そして、今年6月の燃費不正問題を受けて、鈴木修会長兼CEOはCEO(最高経営責任者)を返上し、倅の鈴木俊宏社長兼COOがCEOを兼務することになったわけだ。

しかし、社の内外では社長の経営手腕に不安を感ずる声が聞こえ、それを一番理解しているのが鈴木修会長なのである。しかし、いくらやる気満々でも会長は86歳である。

先日の会見をみても、その御老体ぶりは少し哀れな様子であった。

  元気ぶってみても、86歳

トヨタは8月に傘下のダイハツを完全子会社化した。ダイハツは今や国内の自動車の3台に1台以上が軽自動車となった中のシェアNo.1 である。

研究開発費が1兆円のトヨタと、1000億円のスズキ。このままではジリ貧になっていくのは素人でも予想できる。

タイミングとしては、申し分ないのは分かるが、豊田名誉会長に仁義を切った後は、せめて倅の鈴木俊宏社長に任せるべきではなかったか。

これでは、鈴木社長はますます社内で肩身の狭い思いをすることになると思うのだが。

「小さな車 大きな未来」とCMを垂れ流すスズキだが、今回のトヨタとの提携検討の会見を見る限り、「大きな未来」というよりも、「大きな失望」を抱かせたと言えるのではないだろうか。


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