今日は雨模様でグッと涼しくなってきましたね。
涼しいというより寒く感じます。
長くなりそうですし、かなり愚痴なので適当にスルーして下さい。
ちょっともやもやしていたのでここに書きたくなりました。
この夏は暑さと母の事で気持ちが上がりませんでした。
父が亡くなり約10年間一人暮らしだった母の様子がだんだんと
おかしくなってきたのが5年位前から。
その前から「あれっ?」と思うところはあったのですが私は義父母の介護もあり
母がまだ若く元気だったので余り気にしていませんでした。
一人暮らしになってからは東京に住む弟が一週おきに
週末泊まりに来てくれていました。
田舎なので一番近いスーパーまで2,5キロ位あり
買い物は車でないと不便な所です。
母は40代で免許を取り父の病院通いも買い物も
自分で出来たので助かっていました。
それが74歳の時車をぶつけてそのまま帰って来てしまったようです。
後から相手や警察から弟に連絡がありその事を聞いても
記憶がなくだんだんと症状が進んできていました。
3ヶ所の病院で検査を受けましたが「アルツハイマー型の認知症」と診断され
どこでも同じ薬が処方されました。
ある日弟が帰るとJAから24万円もする布団のセットが届けられていました。
聞いてもセールスの人が来たことも買ったことも覚えていません。
慌てて「認知症の年寄りにこんなに高い物を売りつけるなんて困ります。」と
電話をしたら「普通に会話をしていたのでわからなかった。」と言って
引き取りにきたそうです。
そうなんです。
人の話は聞けないし聞いても覚えていられないのですが
自分の思った事はどんどんしゃべります。
最近の事は覚えていないのですが昔の事はよく覚えているので
昔話をしているとどこもおかしいときずきません。
そんな感じでもう一人で暮らすのが無理になってきました。
弟の奥さんも二人姉妹の長女でこちらよりも高齢の両親の
介護中のため一人で帰ってきてくれました。
サラリーマンではなく自営業だったので東京の事務所をたたみ
一人で出来るだけの仕事を家で細々とする事になりました。
親の介護をしながら大学生の息子をかかえ
一番お金のかかる時に大変な事になりました。
だんだんと母から目が離せなくなり仕事になりません。
家中の鍋ややかんは真っ黒でオーブントースターは火を噴き
炊飯器の内釜を直火にかけたりしていました。
もう限界でデイサービスにお世話になることにしました。
毎日9時に迎えに来ていただき4時半に帰ってきます。
この頃は身支度もだんだんとできなくなり家にいる時は何でもいいですがやはり
出かけるとなるそれなりにきちんとしなくてはなりません。
下着を替えたりは男ではやりにくいので毎朝
私が送り出すための着替えに通いました。
いやがらずに通ってくれたので良かったのですが
4時半に帰ってくると夕食の支度をはじめます。
長年やってきた事なのでどうしてもやらないと気がすみません。
でも食べられる物が作れなくなってしまいました。
弟が買ってきた冷蔵庫に入っている食材を全部大鍋で煮てしまいます。
まるで闇鍋のような物を作ります。
捨てるだけでも大変です。
それにもったいない。
家族の人数もわからなく常に来客の接待を気にしていました。
夕食の支度がしてあれば作らなくてもよいのではないかと思い
母が帰ってくる頃までに私が家で作り毎日運びました。
これが結構大変で3時頃から作り始めないと間に合いません。
これが1年半くらい続きましたが、夏など日が長いので4時半に帰ってくると近所を
ふらふらと散歩したり畑から野菜と草を取ってきて
一緒に煮たり益々危なくなってきました。
何を食べてしまうかわからないのでよくお腹の調子も悪くしました。
そんな時デイの方から「家族の方が働いていて夕食ができないので
こちらで食べてから7時頃お迎えの方もいますので一緒にどうですか?」
というお話をいただきました。
帰りが7時過ぎならもう暗いので近所をふらふらしなくてすみます。
もう寝るだけなので食事の支度もしなくて済むはずです。
(時間の感覚があるかわかりませんが)
私も朝だけ行けば良くなるので大助かりです。
弟もたまには家族の所に帰る用事もあり
週末のショートステイもできるようになりました。
国民年金の母の年金だけでは足りない金額を支払うようになってしまいましたが
お金には替えられない状況になってきました。
認知症は家族や身近の人に接した事がないとなかなか理解してもらえません。
どう接したら良いのかわからないのもあると思いますが・・・
朝は夜明けと共に起きるらしく私が行くまでに時間をもてあまし
何処かへ行って家に居ない事が度々ありました。
ある朝、近所の家の庭にふらふらと入っていったらしく「用事も無いのに来るな!」と
怒鳴られた。と、険しい顔して帰ってきました。
私に報告できるくらいだったのでそうとう衝撃を受けたのだと思いました。
認知症に対する近所の理解がないと家で暮らすのも
可愛そうな事なのかもしれないとこの時思いました。
怒鳴った方は70歳くらいの男性ですが「私が子供の頃、
あなたの亡くなったお父さんは用事もないのに毎晩家に来て
母が接待して父とお酒を飲んでましたよ。」
と言ってあげたかった。
だんだんと夜も寝なくなり、階下で音がするようになり弟も寝不足になってきました。
何しろ昔の家で段差がたくさんありころんで怪我をしないようにと気が気ではありません。
30年も使っているトイレもタンクに溜まる水が理解できなくなり水が止まらないと
ペーパーを詰めたりして床が腐ってしまうのではないかと心配するくらい
何度も水浸しにしてしまいました。
水が見えるからいけないとホースをつけて水を見えなくしたり
家中の壊されそうな物を工夫するのも大変になってきました。
頭だけで足もその他も今のところ悪くありません。
そろそろ家で看るのは限界かもと思い「特別養護老人ホーム」を
弟と何ヶ所か見学させていただきました。
見学した感想は身体的介護が必要な人が多く入居されていて
母のような元気に動き回れる人は少なかったです。
ほとんど寝たきりか車イスで動かない人ばかりでした。
まだここに入れるのは可愛そうに思いましたが申し込んでおかないと
順番がこないので3箇所に申し込みだけはしてみました。
定期的に厳正な審査で順番を決めるそうですが申し込み順ではありません。
介護にひっ迫している方、急を要する方からとなるようです。
親孝行な子供や家族がいる人は中々順番がこないのだと少し理不尽を感じました。
結局何処も120人待ちの60番、60人待ちの30番とかで年間数人しか
入れ替えがないというので何年先になるかわかりません。
そんな時通っているデイサービスで「ご利用者様の強い希望で
入居施設を作る事になりました。」と話がありました。
今、国の方で一人暮らしや二人暮らしの増えた高齢者が安心して暮らせる施設をという事で
「サービス付き高齢者住宅」の建設を進めているようです。
「週末のショートステイを利用なさってる方は皆さん希望されているので
完成するまでもう少し自宅で頑張って下さい。」
と言われ少し気持ちが軽くなりました。
特養は全然順番がまわってこないし、老人ホームやグループホームは
料金が高くて国民年金では支払い続ける事が出来るか不安がありました。
新しい施設も特養の料金のようなわけにはいきませんが
3年間もお世話になり母の事をよく理解してくださっているし
お仲間もたくさん入られるというので完成を待つことにしました。
本当は昨年の11月完成の予定でしたがなかなか着工に至らず
やきもきしながらまっていました。
工事が始まりだんだんとかたちが見えてきました。
何度も工事現場を見に行き完成をまっていました。
4月初旬に入居できる事になり「〇〇さん(母)のお部屋もご用意してますからね」
と言っていただきました。
オレンジの屋根に白い壁、入居棟とデイサービス棟の二棟が渡り廊下で繋がって
立派なリゾートホテルの様な建物が完成しました。
介護認定を受けている人たちは昼間はデイサービスに行く事になります。
完成の内覧会の時に綺麗な個室、夫婦で入れる二人部屋
その他整った施設を見学しました。
その時こんなに同じドアが並んでいる部屋に
母は帰れるのかちょっと心配しましたが
新築の設備に気を取られてしまいました。
そして皆さんと一緒に家もさっそく入居させていただきました。
やっぱり部屋の名札が小さくて絶対わからないと思い
大きな名札を貼っていただきました。
桜が満開の時でした。
入居して一週間目、足りない物を持って様子を見に行った所、
皆さんと指導を受けながら体操をしていました。
自分で洋服が選べないのでいつも見てあげていたのですが
ここでは自分で身支度しなければならないようです。
変な組み合わせで着ていました。
まだ職員の方も慣れない施設で忙しそうです。声をかけられる雰囲気ではありません。
でも皆さんニコニコして感じよく接してくださるので安心していました。
母のような大変な人も看なくてはならないのですから本当に大変な仕事だと思います。
おかげさまで弟も睡眠不足から解放され顔つきも穏やかになってきました。
私も久しぶりにゆっくりと朝の時間をすごせ夫を見送る生活が戻ってきました。
トイレットペーパーやティッシュなど日用品がなくなる頃を見計らって
時々様子を見に行っていましたが行くたびにだらしない格好になっています。
夏物の入れ替えに行った7月頃、ここでも洗面台にティッシュを詰めたとかで
部屋のティッシュは没収されていました。
母の認知症も進んでいる感じがしました。
薬が変わったという話を聞きました。
そしてお盆前、様子を見ながらクローゼットの整理に行った時、
長袖シャツの上に半袖ポロシャツ、
ベストのボタンをブラウスのボタンホールに入れてあり
ウエストはズボンからシャツが出ていて悲しくなりました。
帰り際、ここの代表(女性)に玄関で会いました。
義母の時からの10年以上の付き合いなので気安さもあり、
大変でしょうがもう少し見ていただけたらという気持ちからつい
「来る度にだらしなくなって姿を見ると悲しくなる」とこぼしてしまいました。
そしたらビックリ! よほど大変だったのか
機関銃のように「何度も他の人の部屋に入ってしまい苦情が出ている。
〇〇先生(主治医)が〇〇さん(母)はもう特養の方がいいと言っている。
出ないのに何度も何度もトイレに行きたがるので大変、
なので直してもすぐにシャツが出てしまう」その他etc
入居前には「今、特養に入れたら薬漬けにされて廃人のようになってしまいますよ」と
言っていたのですけど。もう仕方ないという事なのかと・・・
最後に「息子さんの話はよくするけど娘さんの事は言わない、
今日わかりましたか~?」と止めの一発。
「ちゃんとわかりましたよ」と言いましたが・・・
前は絶対こんな事言う人ではなかったので驚いてしまいました。
と言うより悲しくて涙が出ました。
規模が大きくなり大変なのでしょうが気持ちが凹みました。
地雷を踏んでしまったようでこの日以来気持ちが晴れませんでした。モヤモヤ~~
お盆も一人では行きにくく夫、弟と3人で会いに行きました。
それから10日後、弟の所に電話があり「もう看きれないので他へ移ってほしいと・・・」
慌ててケアマネさんの所に相談に行ったようですが特に次を探してくれる様子もなく。
その2日後「まだ見つからないですか?」と催促の電話があり。
ネットでグループホームの一覧を出し順番に見学させていただきにまわりました。
なかなか空いている所もなく事情を説明すると
「認知症はその辺からが始まりなんですよ。」
「自分で探して移れなんてそんな不親切な話は聞いた事がない。」と驚いていました。
「よその部屋に入らない方法なんてちょっとしたこつであるんですけどね。」
とさすが専門の所はノウハウがあるようです。
何ヶ所目かでやっと一部屋空いている所がみつかりました。
色々状況を話すと「皆さんそうですから」とゆったり答えてくださいます。
気さくで気取りが無く認知症の患者の扱いに慣れているのを良く感じました。
「希望があったらどんどん言って下さいね。言われたからって
お母様にどうこうという事は一切ないですから~」
と真っ先に言っていただきました。
全然違いますね。
ここはその通りだと思いますが私は学びました。
もう何も言わないと思います。
お世話になっているだけで充分ですから。
グループホームなので家庭的、全員認知症の方ですが
皆さん穏やかな顔で雰囲気が明るいので驚きました。
すぐに入居の手続きをして9月からお世話になっています。
引っ越ししましたが母は前も今も何処に居るのかはわかっていないようです。
引っ越した事もわかっていません。
わかっているのは家では無い事。
初めからグループホームを考えればよかったです。
料金も新しくできた「サービス付き高齢者住宅」と変わりません。
むしろ光熱費とか安いです。
とにかく入居施設の完成を心待ちしすぎて
内容を把握しなかったことを反省しました。
設備ばかりに気を取られてしまいました。器ではなかったです。
要介護5まで入居OKとの事で看取りまでするという話を聞いていたので
要介護3の母は大丈夫と思っていました。
認知症と身体的介護が必要とする方ではやはり認知症の方の方が大変なのでしょう。
入居割合は、認知症の方が3分の1、身体的介護の方3分の1
、何でもない方3分の1だったようです。
その何でもないけど一人で生活するのは不安という方からの
苦情が多かったようです。
グループホームに相談に行った時に「色んな条件の方が
一緒に暮らすというのは無理に決まってる」とおっしゃっていました。
私も介護施設は家で看るのが立ち行かない人がお世話になる所だと思っていたので
まだ自立できてる方が一緒に暮らすとは思っていなくて
「サービス付き高齢者住宅」という物に対する勉強不足でした。
最近、あちこちでこの施設を見かけるようになりました。
今入居しはじめた認知症の方々ももう少し病状が進み
手に終えなくなったら出されてしまうかもしれません。
手のかからない自分の事が出来る方が多いほうが楽ですもの。
行き場のなくなった方が溢れる前に次の手が打てて良かったと考える事にしました。
引っ越して1週間、問題なく過ごしているようです。
1度状況報告の電話もいただきました。
ここは2年契約なのでしばらくは安心してお世話になる所がみつかりほっとした所です。
今回の事で自分たちの老後についても色々考えさせられました。
年は取りたくないものですが仕方ありません。
願うは認知症にだけはなりたくありません。
これもわかりません。
食事、運動、刺激、世間との繋がりなどが大事と言われています。
長々ともし読んで頂けたらありがとうございました。
これは決して介護に従事されている方を批判しているものではありません。
大変なお仕事だと重々尊敬しております。
こんな出来事があったという事で・・・