平成23年12月 靖国神社社頭に掲示された遺書
鹿児島市下荒田町出身 海軍少佐 横山 正治 様 (23歳)
昭和16年12月8日 ハワイ方面にて戦死 合掌
「これに過ぎたるは無し」 簡潔にして、思慮深く、ご立派な文章にただただ心からご冥福をお祈り申し上げます。
ご両親様、恩師他の皆様への御礼。
死を共にする後輩のご家族への哀悼の言葉まで残されたお若いお方の遺書に涙無くしては読めません。
最後の文面より転載させていただきます。
「最後に、皇恩の万分の一にも酬ゆる事なく、死する身を深く愧(は)づるものに有之候。」
戦争という愚かな時代に奪われた (捧げた) 尊い命に残念の一言です。 合掌
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたのでご紹介させて頂きます。
お目を通して頂けましたら幸に存じます。
いづれの日にか國に歸らむ“椰子の実 ”を歌ふも淋し秋の夕ぐれ 奈良市 遺児男性
ブーゲンビルタルキナ付近戦死せし父の思ひ出色もセピアに 呉 市 遺児女性
帰るには惜しきみ墓の虫しぐれ呼びかける夫の声かと佇む 横手市 妻
靖國の社の御霊にお参りし父を偲びて涙あふれし 宮城県 遺児女性
ラバウルの荒野はかつて飛行場兵士の御魂いづくに在す 富士吉田市 遺児男性
洋上は遙けき南黒潮に鳥海の遺児出会ひし奇跡 佐世保市 艦長子息
コスモスの花咲く道辺弟を肩車にせし父なつかしむ 大阪市 遺児女性
秋澄めり百余の兵を荼毘に付す煙り立つ見ゆ黙ふかく佇ち 出雲市 妻
東日本大震災後しみじみとはかなく無常な人の世なるを 南相馬市 遺児男性
一命も一臂残さず体ごと国に殉じし兄恋ふる秋 篠山市 遺族男性
父の生地確かむ術のなけれども郡上盆歌懐かしく聞けり 名古屋市 遺児女性
母の短歌(うた)添へて奉読の声つまる「父みまかりし日に子は生る」と 千葉市 私
21日 (水) に届きました遺族通信を拝見して、とても ました。
先に参加をさせて頂きました「洋上慰霊」の折りに感激の出会いを頂きました 「鳥海」 艦長様ご子息様が私との出会いを詠んで下さいました。
とても嬉しく心から感謝を申し上げ、改めてここにご紹介させていただきます。
洋上は遙けき南黒潮に鳥海の遺児出会ひし奇跡 佐世保市 遺児男性
「鳥海」 乗艦者は960名、勿論、全員戦死 と聞いておりましたので、遺児の皆様との出会いを願いながらの慰霊の旅でした。
しかし、慰霊祭当日は、多くの戦死者の中で、艦長様のご子息様と私の二人だけの出会いでした。
その瞬間は言葉にならないほどの感激を生涯忘れる事は有りません。ご子息様有難うございました。
お寒くなりました。ご自愛下さいましてどうぞ佳いお年をお迎え下さいませ。
今月の私の歌は 「洋上慰霊」 にご一緒させていただきました川上様が「千葉市戦没者追悼式」 に「思い出のことば」 を奉読されました感想を詠ませていただきました。
お父様の戦死の日が川上様のお誕生日とはあまりにも悲しすぎます。
お母様も多くのご苦労が有りました事と存じますが95歳になられた現在、ご健勝にてお過ごしのお姿に又、素敵なお嬢様の川上様のお姿に惜しみない を贈らせて頂き
たく存じます。
おかげさまで今年も11首掲載 2名 に加えていただき、大きな励みを頂きました。
ちなみに 10首掲載 が無く、9首掲載 1名、8首掲載 1名、7首掲載 2名、6首掲載 1名
後は、5首掲載が無く、4首、3首、2首掲載がそれぞれ1名、12月に初めて掲載のお方が4名でした。
今年も九段短歌をお読みいただきました多くの皆様に御礼を申し上げます。