そんなの、自分で酒の安売りに行き、1,8Lの酒パック買ってきて、ビールのジョッキーでゴクゴク飲んだほうが酔えるジャ~~~~ん!!
この方が脳天しびれて最高じゃ~~~ん!
30分ほぼワンコインでサクッと酔える、せんべろを超えた「半べろ」が拡大中のワケ
11/2(土) 6:10配信
週プレNEWS
30分ほぼワンコインでサクッと酔える、せんべろを超えた「半べろ」が拡大中のワケ
お店の外壁に大きな看板を設置し、「30分飲み放題」をアピールする店も
消費税も上がったし、サクッと飲んでちゃんと早く帰りたい......。そんな、働く男たちに朗報だ! 30分で効率よく飲む「時短飲み」の店が都内を中心に全国に増殖中。その理由と魅力を紹介する。
【写真】100種のワイン樽のある「大衆和牛酒場 コンロ家」
■お店は芸人。大事なのはインパクト!
ちょっと一杯のつもりが、結局だらだら飲んでて、それなりのお会計。翌日に響くし、早く帰ればよかった......。そんな経験は誰しもあるはず。そこで注目したいのが高コスパで飲める「半べろ」だ!
「半べろ」とは、とにかく時間勝負の「30分飲み放題」。都内を中心に展開するチェーン店「やきとり○金(まるきん)」や、名古屋、九州に今年初出店を果たした「ローマ軒」といった大手だけでなく、近年は個人店でも全国的に増えているという。
「まず前提にあるのが、ここ4、5年で起きている居酒屋の衰退と酒場の隆盛です。居酒屋の大手チェーンでは客単価が平均約2300円。しかし近年は安く気軽に飲む酒場業態がメインとなり、客単価も2000円ほどと低価格化。そんななか、どうお客さんを呼び込んでいくかが"飲み屋"の戦いです」
そう語るのは、『日経レストラン』を創刊し、現在は『フードリンクニュース』編集長の遠山敏之氏。低価格化が進むなかで、料理ではもう差別化ができないのが現状。となると、お酒の安さで売り込むしかない。そうして生まれ、広がり始めているのが「30分飲み放題」という"見せ方"だという。
「『生ビール1杯199円!』という触れ込みはもう普通。僕は『お店は芸人』だと思っていて、飲食店にとって大事なのは、どうインパクトを与えるか、どう新しい魅力を示すかということ。15年ほど前に『せんべろ』という言葉が生まれ定着しましたが、次の新しい見せ方が『30分飲み放題』なんでしょう」(遠山氏)
ちなみに「せんべろ」をウリにする店と、「30分飲み放題」の店では客層が違うそう。「『せんべろ』は老舗でないと雰囲気が出ないし、料理のうまさはもちろん、飲むことが好きな人向け。一般層や若者向けにやるなら"古くておいしい"は合わない」(遠山氏)
「30分飲み放題」が生まれたもうひとつの背景が「時間」だ。帰り道に同僚と、もしくはひとりで飲みに行く際、長居せず早く帰りたいと思う層は一定数いる。3年ほど前に"ちょい飲み"がはやり、定着したことも、その裏づけになるだろう。
「かつて飲みに行くというのはある意味"レジャー"でした。しかし、あらゆるコンテンツであふれている今、お酒に時間を使うことは少なくなっています。そうした時代に合わせて登場したのも理由のひとつです」(遠山氏)
実際、「30分飲み放題」店の常連客は「普通の居酒屋ですぐに店を出るのは気が引ける。30分という制限を店側が設けてくれるのがいい。それに30分なら飲んでもいいか、と自分に対する免罪符にもなる」と、その実感を明かす。
とはいえ、「30分飲み放題」の価格帯は300円から600円。「一番原価の高いアルコール」として知られるビールが含まれている店も一部ではあり、1杯飲めば元が取れてしまうような値段だが、お店はどう採算を合わせているのか。
「『30分飲み放題』の多くはセルフサービス形式。グラスもそのまま、客が使える洗い場も用意してあるので店側がグラスを交換する必要がなかったり、オーダーもiPadを使うなど、接客に必要な人件費をカットしています」
そう明かすのは『フードスタジアム』編集長の大関愛美氏。セルフ方式にすることで、調理などを止めることなく、スムーズな提供にもつながる。店側は少人数で店を回せて、値段も抑えられ、客側の満足度も高まるため「人手不足である今の時代にマッチしている」(大関氏)のだ。
そして大関氏が挙げるもうひとつの理由は、矛盾しているようだが、「30分では終わらないこと」。
「ほとんどの人が30分で帰ることはないと思います。そのまま延長しているのではないでしょうか」
実際、利用者やお店の人に聞くと、そのとおりだった。店舗側が料理をわざと遅く提供するなど小細工をしているわけではないのに、だいたい1時間ほどは滞在するそうだ(笑)。
■安さの裏にはメーカー戦争が
また、激安価格が成り立つ背景として、大手飲料メーカーのサントリーとアサヒの価格競争があるという話も。都内で居酒屋を営むA氏によると、「メーカーとすれば単価が下がっても数を出したいのでしょう。
どんどん安売りしているわけですよ。うちもサントリーの営業マンから提案されました。それにアサヒも続いて、価格競争になっている」というのだ。同じ話は他店のオーナーからも聞いたとのこと。
確かに大手チェーン店はともかく、個人店の場合は営業努力にも限界がある。いくら人件費を削ったり、利用者が多少長く居座ったとしても薄利には変わりない。ビールやウイスキーなど高価なアルコール類の大幅な値下げがあるなら、その話もうなずける。
時代のニーズによって広がる「30分飲み放題」。店舗で話を聞くと口をそろえて言うのは「リピーターは比較的多い」という言葉だ。大関氏は「各店が意識しているのが"話題性"」だという。
「ただ安くおいしく飲めるだけでなく、その場で楽しんで誰かに話したくなる、また次に誰かを連れていきたくなるような店が多いです。例えば『コンロ家』は段ボール製の手作りメニューなどの面白ネタが店中にあるんですが、以前、『お客様は神様ではありません』という張り紙がSNSで話題になりました。
『でんでん串 高円寺駅前階段急店』も"1分10円"というパワーワードを仕掛け、SNS上でバズっていました」
星の数ほどある飲み屋。どこもそれなりにレベルは高いので、遠山氏が話すようにフードやドリンク、そして価格だけでは目立てない。「30分飲み放題」というワードとともに"エンタメ感"を演出するなど、さらに工夫を加え生き残りをかけているのだ。
取材・文・撮影/鯨井隆正
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