白人夫婦の中華料理店、「クリーン」を売りにしたら中国人差別と非難されて閉店に

2019年12月16日 | 料理など



白人夫婦の中華料理店、「クリーン」を売りにしたら中国人差別と非難されて閉店に

12/11(水) 18:14配信

ニューズウィーク日本版
白人夫婦の中華料理店、「クリーン」を売りにしたら中国人差別と非難されて閉店に

目指したのは「健康中華」かもしれないが、「クリーン中華」と言ってしまった luckyleesnyc/INSTAGRAM
<シェフは「中華料理や寿司を食べた翌朝は足がむくむ」などとも書いていた>

「クリーンな中華料理」を謳ったニューヨークのレストラン「ラッキー・リーズ(Lucky Lee's)」が、開店からわずか8か月で閉店に追い込まれた。

【動画】非難の嵐にさらされ、8か月で閉店した「ラッキー・リーズ」

同店は12月8日、インスタグラムの投稿で閉店を発表した。

シェフのアリエル・ハスペルと夫のリー・ハスペルという白人夫婦が開いた店は、開業以来、中国人の中華料理店に対して差別的、異文化に無神経、果ては文化の盗用とまで言われ非難を浴びてきた。

ラッキー・リーズは、「ツォ将軍のチキン」やローメン(焼きそば)などのアメリカ風ファストフード中華を提供していた。グルテンフリー、小麦フリー、ピーナッツやカシューナッツ、ピスタチオを使わないなど食事制限のある人に配慮し、GMO(遺伝子組み換え作物)や精製された糖や着色料は使わないなど、健康に配慮した料理を謳っていた。

しかし開店後間もなく、ハスペルのもとに非難が押し寄せた。同店の宣伝が、中華料理は不潔で健康に悪いという固定観念を助長する、という批判だ。

ラッキー・リーズのサイトも、たちまち悪評で埋め尽くされた。中華料理に対する「偏見に満ちた」宣伝に、多くの人が拒否反応を示したためだ。

<中国系コミュニティーに謝罪>

実際にラッキー・リーズで食事をした客も、満足できなかったようだ。ある客は、白人としか付き合ったことのない郊外暮らしの母親が、ブロッコリーを蒸して香辛料だけ振りかけたような味だったと語っている。

アリエル・ハスペルは、中国料理の伝統を尊重している、と反論した。しかし自身のブログには、「お気に入りの中華料理店や寿司屋に行った次の日の朝に、身体がむくんでいるように感じることがある。目がはれぼったかったり、指輪が指に入らなかったりする経験は、みなさんもあるでしょう?」と書いていた。

「当店ほど、原材料の品質に注意を払っているアメリカ風中華料理はめったにありません」と、アリエルは書く。「当店の料理を食べればきっと気分が良くなるはずです。食後は運動がしたくなって、集中力も高まります。健康にプラスになるはずです」

その後アリエルは、投稿を削除。mashupNYによると、ニューヨークタイムズのインタビューで中国系コミュニティに対して謝罪したという。



<過去にもしばしば炎上>

アリエルは栄養士で、2つのオンライン料理番組にホストとして出演し、飲食業界で経験を積んできた料理の専門家だ。

中国系ではない人が経営する中華料理風のレストランは、しばしば炎上に見舞われる。有名シェフのゴードン・ラムゼイが2019年夏にロンドンで「本物のアジア料理店」の「ラッキー・キャット(Lucky Cat)」をオープンしたときには、厨房にアジア系が一人もいないことや、「ラッキー・ゲイシャ」などの無神経な名前のカクテルが批判された。

ニューヨークは、新しいレストランが生き延びるのが難しい街として悪名高い。2011年の調査によれば、ニューヨークの飲食店の80%は開店から5年以内に閉店するという。

(翻訳:ガリレオ)

K・ソア・ジェンセン




中国人が日本の回鍋肉や羽根つき餃子を見て衝撃を受ける理由

12/11(水) 6:15配信

ダイヤモンド・オンライン
中国人が日本の回鍋肉や羽根つき餃子を見て衝撃を受ける理由

日本の回鍋肉(ホイコーロー)は本場の中国・四川省のものとは全く異なるという Photo:PIXTA

 オフィス街や大学など、至るところで見かけるようになった中国人。増え続ける彼らの舌に合わせるようにして日本の中華料理も徐々に進化してきているが、それでも“本場”の中華料理とはだいぶ異なる点があるようだ。具体的に聞いてみると、意外な違いを指摘され、中国に通い続けている私も、思わず「そうだったのか!」と驚かされた。(ジャーナリスト 中島 恵)

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● 「ここが変だよ、日本の中華!」と 思っている中国人はけっこう多い

 「『ここが変だよ、日本の中華!』。こういうふうに思っている中国人はけっこう多いと思いますよ。日本人に申し訳ないし、外国(日本)でアレンジされた料理って、たぶんそういうものだと思うので、あまりそのことを大きな声で言わないだけです」

 こう語るのは日本に住んで10年以上になる中国人男性。出身地は中国の内陸部、四川省だ。四川省といえば、日本人の誰もが思い浮かべるのが「パンダ」や「麻婆(マーボー)豆腐」。どちらも日本人になじみ深いもので、人気がある。

 麻婆豆腐は、テレビなどで活躍する料理人、陳建一氏の父親、陳建民氏が日本に広めたといわれ、今では本格的な中華料理店だけでなく、「町中華」と呼ばれるラーメン店でも定番のメニューとなった。また、麻婆豆腐の人気につられるようにして、それ以外の四川料理(エビのチリソース、担々麺など)もずいぶん日本に浸透しているように感じる。

 そのひとつが回鍋肉だ。中国語では「ホイグオロー」という発音に近いが、日本では「ホイコーロー」と呼ばれ、いつのころからか日本人に親しまれるようになった。ご存じのように、白いご飯によく合う、豚肉とキャベツなどの中華風の炒め物だ。

 ピリ辛風に調理する店や、甘い味噌だれで味つけする店がある。スーパーに行けば、味の素の『クックドゥ』シリーズなど、数種類の合わせ調味料も売られている。合わせ調味料を使えば、あっという間に自宅でも簡単においしい回鍋肉を作ることができる。本場の味には及ばなくても、そこそこ、おいしい中華料理が作れる。そう思っている日本人は多いのではないだろうか。

● 日本の「回鍋肉」は 本場・四川のものとは全くの別物

 ところが、この中国人男性は強く首を横に振って否定した。“本場”の味と比べると、ずいぶん異なるというのだ。

 「確かに日本の回鍋肉は、そういうふうにして独自に“発展”してきたのかもしれませんね。それは否定しません。日本人に、中華料理に親しんでもらえるのは中国人としてうれしいですから。ですが、四川省で食べる回鍋肉はまったく違うものなんですよ。そもそも、食材からして違いますからねえ…」

 それはどういうことだろうか。


「最大の違いは、四川省ではキャベツではなく、ニンニクの葉を使うという点です。来日して初めて東京で回鍋肉を食べたとき、見た目の違いにまず衝撃を受けました。それに、日本では回鍋肉の調味料として甘いテンメンジャン(甜麺醤)を使ったりしますが、あれは四川人として、どうしても納得がいきませんね(笑)。四川料理は甘い料理ではないですから!」

 半ば笑いながらこう語る男性を前に、私もハタと気がついた。確かにそういえばそうだ。私も四川省に行き、本場で回鍋肉を食べたことがあったのに、不思議なことに、なぜかそのことにまったく気がつかなかった。四川省で食べる四川料理と、日本で食べる四川料理を、なぜか脳内で「これは別の食べ物だ」と認識していたのかもしれない。四川省では何もかも辛く、舌がしびれっぱなしだったのに……。

 この話を聞いて、長年中国に通い続けているにもかかわらず、そのことに気づかなかった自分自身に対しても、私は軽いショックを受けた。

 この男性によると、以前、都内にニンニクの葉を使った「四川省出身者が足しげく通う、本物の四川料理店」があったそうだが、数年前につぶれてしまったそうだ。「ここは日本ですから、日本人向けの味つけが喜ばれるのは当然。自分たち四川人がせっせと通って応援するだけでは、お店の経営を支えられなかったのかもしれません」とくやしがる。

 このエピソードを聞いた後、かなり興味を持った私は、別の友人の紹介で、同じく四川省出身者が開く四川料理店のオーナーに話を聞く機会を得た。そのオーナーによると、回鍋肉とは「もう1回、鍋に肉を戻す」という文字通りの意味で、調理法がそのまま料理名になったものだという。

 材料は豚バラ肉とニンニクの葉、調味料はトウバンジャン(豆板醤)というシンプルなもの。豚肉の塊肉を鍋で煮てから取り出し、薄く切って、ショウガや豆板醤とともに再び鍋に戻し入れ、ニンニクの葉と炒める。四川省では、どの家庭でも必ず作る平凡な料理だと教えてくれた。

 日本では、新鮮なニンニクの葉はなかなか入手できない。そこで手軽な食材(キャベツ)を使うようになった(前述した陳建民氏がキャベツを活用したのが最初、という説がある)。それが日本人の舌に合ったので、日本の回鍋肉の「定番」になったようなのだが、日本に住む四川省出身者たちが、本音では日本の中華をこのように見ていたのだと知り、私は目からウロコが落ちた(悪い意味ではなく、かなり違う食べ物なのだと認識している、という意味で)。



● 中国の餃子は「皮」が主役 日本の餃子定食は邪道?

 もうひとつ驚かされたのが、餃子(ギョーザ)についてだった。もはや日本の国民食といってもいいほど、日本人の食卓や外食にも欠かせない存在となっている。日本では餃子といえば焼き餃子が定番で、中国では水餃子のほうが主流であるという話も、今ではかなり多くの日本人が知っているのではないだろうか。

 日本の町中華の人気メニュー「餃子定食」は炭水化物×炭水化物で、中国人から見たら邪道であるということも、多くの日本人は「情報」として知っているだろう。

 だが、それ以外にも、これまであまり言われてこなかった「違い」がある。

 中国で焼き餃子は「鍋貼(グオティエ)」といい、水餃子は「水餃(シュイジャオ)」と呼んで区別している。焼き餃子は、戦後、中国の東北部、旧満州からの帰国者が日本に持ち帰り、日本中に広めたといわれている。日本では皮は薄く、具には豚肉、白菜(またはニラ、キャベツ)、ニンニクなどを入れる。

 私の個人的な認識では、日本では具が主役だと思っている人のほうが多いと感じる(コンビニで売っているあんまんや肉まんの具が大事であるのと同じように)。店によって、エビやシイタケなどを入れたり、餡(あん)の味つけにもさまざまなバリエーションがある。皮を手作りする店もあるが、既製品を使うというところもある。

 家庭でも同様で、皮よりも具のジューシーさのほうが目立つし、具に注目しがちだ。

 一方、中国ではどうだろうか。

 北京出身者を中心に複数の人に聞いてみたところ、「餃子の主役は断然、皮なんですよ」という答えが返ってきた。

 「中国では、店はもちろん、家庭でも餃子の皮は手作りします。皮のモチモチ感が命なので、皮は厚めにします。最近では具にトリュフを入れるなど、珍しい具材を入れてメニューに加えるレストランも増えてきましたが、餃子を食べるとき、皮(小麦粉)の味わいを重視するのが中国人。日本の餃子は、これはこれで相当おいしいのですが、中国人から見ると、ちょっと重視するポイントが違うかな、と感じたりします」





● 中国の汁麺と 日本のラーメンは別物

 私は拙著『中国人は見ている。』の中で、日中の食文化の違いについて、中国人はどのように思っているのかを取材したが、その際、何度か「日本と中国では逆」という意外な言葉を耳にした。

 餃子以外ではラーメンについても同様の意見を聞いた。

 中国人は日本のラーメンが大好きで、来日した観光客は豚骨ラーメンの有名店に大挙して押し寄せているが、中国にもスープに入った麺料理はある。だが、それは私が四川省で食べた四川料理と日本の四川料理を「別もの」と認識したのと同様、「中国の汁麺と日本のラーメンは別物だ」と彼らが思っていることからのようだ。

 取材した中国人は冷静に次のように分析してくれた。

 「日本人はスープと具にこだわりがある人が多いですね。ラーメン店主の匠の技は本当にすばらしいです。スープ作りに何十時間もかけ、具のチャーシューなどの材料や製法にもこだわりが強いですから」

 「でも、中国人は具よりも麺のほうにこだわります。地方によって材料や切り方に特徴があり、日本にも増えてきた刀削麺のように、さまざまなタイプの麺があります。中国人は日本人ほど具にはこだわりません。こういうところは、同じ麺好きな国民同士なのに、ポイントが違うんだな、おもしろいな、と思います」

 中国では、大まかにいうと、北は麺食、南は米食だといわれる。麺食の麺とは小麦粉を使った料理のことを指す。とくにコメがあまり取れない北方の中国人は餃子や麺などをよく食べ、麺食に対するこだわりが強いのだ。

● 日本の「羽根つき餃子」に 目が「テン」になった

 話を餃子に戻すと、こんな話も聞いた。餃子の盛りつけ方も日本と中国では異なっているというのだ。

 いつの頃からか、日本の中華料理店や居酒屋、餃子専門店などでは「餃子をひっくり返して(焼き目を上にして)盛りつける」のが主流になり、それがカッコイイ盛りつけ方になった。

 日本人はこのような餃子が皿に盛られてテーブルに出されても、誰も「餃子が逆さだ」とは思わないだろう。だが、中国では皮と皮をくっつけた側が上になる。

 さらに、中国人の友人の目が「テン(点)」になったのは、羽根つき餃子だった。

 「日本で初めて羽根つき餃子を食べたときはびっくりしましたね。本当に餃子に羽根が生えているみたいで、おもしろい(笑)。日本では羽根の部分もパリパリでおいしい、と思う人が多いみたいですね。でも、中国ではこういうふうにしているお店は少ないと思います」

 「北京や上海の居酒屋などで『日式餃子』(日本風の餃子)として提供される餃子は羽根つき餃子なのですが、一般的ではありませんね。日本で独自に進化したからこその餃子なのでしょう。発祥は中国ですが、日本に渡り、進化の過程で違いが出てくるからこそ、おもしろい。中国人の目からはそう見えます。もちろん、日本人と中国人、同じところもたくさんありますけどね」

中島 恵






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